本かつお
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●なぜ気になったか
金原さんの作品に対するイメージは、間違っているかもだが、主人公の陰な感情が絡んだ作品、それらとは異質な作品らしきことを金原さんが述べているので読んでみたい
●読了感想
金原ひとみさん作品イメージ、アップデート! 娘さんの存在が創らせたことが明らかな新境地作。そこここに示唆に富んだ言葉が埋め込まれていて、読んで、感じて、考えさせられて、と楽しめた
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- お母さんと娘はいつでもすれ違い。好きに嫌い、嫌いに好きが混ざってる。
- (ママが言った)、友達が困ってる時に、やり方は拙なくても何とかしてあげたいと思って行動できる子で良かった。
- ママは正直で、それに救われる時もあるけど、普通にけっと思うこともある。
- 私には面白いとつまらないの一本軸しかなくて、その一本の上を行き来するだけだけど、セイラみたいな子にはもっといろんな軸があるってことなのかもしれない。
- いくらお金があっても不安な人は不安だし、お金がなくても平気な人は平気だから、幾ら貯金があるかよりも、自分がなぜお金がなくなることを不安に思ってしまうのかということについて考えた方がいい。
- 勝手にそんな想像をして、勝手に嫌な気分になった。
- 魂が抜けた私の言葉は、何も伝えてくれないだろうと分かった。
- (駐輪場でゴキブリを見て)暴漢に遭ったみたいな悲鳴を上げてしまった。今日の教訓は、もし本当に暴漢に遭った時悲鳴を上げても誰も助けに来てくれないということだ。
- 人の考え方、価値観、生き方はそれぞれ違う。だから人が良かれと思ってしたことが相手を苦しめたり、傷つけたりするのはよくあること。
- (大人しめな子たちに声を掛けることで)、これまで無自覚に、自分には見えないナイフで、誰かのことを刺してきたのかもしれない
- 幼い頃から出会ってきた「ルールなんで」的なことを私に向かって口にしてきた全ての人間、組織、村社会的なものへの怒り
- 世界は理解し合えない人、話し合っても無駄な人で満ちている。(中略)、分からないなら想像しな。自分が共感できない人ほど、思いやりな。
- 相手の親切も思いやりも、受け入れられない時、あるよ。そういう時は、する人もされた人も、ちょっとずつ傷つくね。でもだとしても、することに意味があったりもする。
- その時距離をとってくれた人とかもいて、それもあとから優しさだったんだなって分かって嬉しくなったりする。
- それが優しさなのか、善意の押し付けなのか、私にはもう判断がつかない。
- 怒りの中にいる方が楽なんだよ。 何なんだよあいつって怒りで切り捨てられれば、(中略)、楽で葛藤しなくて済む。
- “「よく分かんないな。ママって会社でもそういう話し方するの?」
- 「話し方は相手を見て変えるよ」”
- 自分が一人になりたい人の気持ちを分かりたいと思う日が来るなんて、思いもしなかった。
- 素直に喜んだり怒ったりすればいいのにと思うけど、なんだかそういう一直線な心の動きがママにはないようだ。
- 俺は常々、世間というものに嫌気が差してたんだよ。世間て分かる?、こうでなきゃいけないっていう圧力
- 私は(母と父)二人の選択を尊重して、何一つ文句言わなかったのに、お母さんは私の恋愛に口出しして、私を全否定した。
- 人との別れとか、コミュニティがなくなったりとかはめっちゃ寂しいけど、もうこの世界で生きていくしかないわけだから、結局新しいことを始めるしかない!
- 彼は小鳥みたいな人。小鳥のさえずりのように日常をささやかに彩ってくれる人
- どっちの気持ちも分かるけど、どっちもちょっとなとも思う。
- 私は正しいことを言って、正しさと正しくなさの狭間で苦しんでるミナミを正しさで殴ってるような気もした。
●目次
- 腹を空かせた勇者ども
- 狩りをやめない賢者ども
- 愛を知らない聖者ども
- 世界に散りゆく無法者ども
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。