2023.06.02 2024.10.01 読了 逆境に負けない 学校DX物語/魚住惇 本かつお 記事内に商品プロモーションを含みます ●なぜ気になったか 社会では革新人間が新しいことを始める際に、保守人間の抵抗で苦労するのは日常ごと。学校でのデジタル活用革新はハードルが高そう。その苦労と展開をのぞいてみたい ●読了感想 自分の学校のDX進展具合に不安がある先生は絶対読むべき良書。同僚の前で管理職に大声で叱責されたり、考えが受け入れられなくても、心折れずDXを推進した理由、多くの人に知ってほしい アマゾンレビュー 逆境に負けない 学校DX物語/魚住惇 created by Rinker 学事出版 Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング ●心に響いたフレーズ コミュニケーション形態の4分類 ローカル+同期→対面で話をする ローカル+非同期→机の上にメモを残す リモート+同期→電話で話をする リモート+非同期→郵便やメールを送る 学校DXを進めるための大きな根拠を挙げると、一つは生徒のニーズを満たすためであり、もう一つは、教師の生産性を高め、働きやすくするためです 身の回りの業務に追われている人にとっては、「新しい試み=手間がかかること」 激務に追われる先生方にとって、(新しいことを強要する)、 ICT担当者は、厄介者で、自分から更に心の余裕を奪っていく悪魔のような存在なのです (DXを進めることを保留にすることを考えもしなかったのは)、どれだけ反対意見が出たとしても、それが子どもたちや保護者のことを想って出た意見だとは思わないから 僕がすべてを諦めてしまったとしたら、目の前の子どもたちに不利益が生じてしまうと思って、ここまで行動してきました 他の学校では新しい取り組みが導入されているというのに、自分の勤務校だけ考え方が昭和のままだったら、入学してきてくれた生徒に対して申し訳が立たないのです 国を挙げて取り組んでいる政策に、後ろ向きな学校で働くこと、それ自体に、僕は我慢ができませんでした たった3年で卒業していってしまう目の前の子どもたちの未来を考えると、「管理職ガチャ」なんて悠長なことはいっていられなかったのです いくら正論を並べたとしても、それが屁理屈だと思われてしまえば、受け入れてもらえなくなります ●目次 まえがき 序章 魚住はこうして嫌われた ◆学校での評価がどん底になった話 2019年「新聞スクラップ事案」 僕が独断専行に走ったわけ 現実とのギャップに驚く 2020年コロナ休校後の良い兆し 管理職からの叱責 ◆文科省の明言にもかかわらず 何がいけなかったのか それでも諦めなかった理由 第1章 なぜ、学校DXが必要なのか ◆3次元アリの話 「宇宙兄弟」のあらすじ 3次元アリとは 「連れて行くしかない」 ◆コミュニケーションとDX―高校の教科書はどう教えているか デジタル化とDXの違い 高校の教科「情報」について デジタル情報の特性 コミュニケーション形態の4分類 4分類が出来上がった歴史 さらに8つに分類してみる 一対一か、多数か コミュニケーションとコストの関係 人はコストに価値を感じる ◆学校でDXを進める意義 DXが進まない本当の理由 「ローカル+同期」は東海道を歩くようなもの 飲み会スルーに見る最近の若者の価値観 若者はパーソナライズの心地よさを知っている 結論。学校でDXを進めなければならない理由 第2章 できそうなところから導入を試みる ◆職員会議の電子化 職員会議が紙だった頃 「紙」というメディアの特性 教員一人一台タブレットが配備された 新しい試みは、心理的ストレスを誘発する WordかPDFか問題 保存先騒動と味方の出現 電子化から1年経って ◆Teams導入物語 Microsoftの「Teams」とは まずはセッティングから 自分の所属学年から導入開始 Teamsのチームを作る 「慎重に」の裏にあったもの 端末の活用促進につながったポイント 導入後記 第3章 まずはここからDX ◆デジタル体温記録の実施 Teamsでやるか、ロイロノートでやるか 教員間での考え方の違い どちらがメリットが大きいか ◆修学旅行で安全に帰ってくるために スマホOK、SNSもOKに 修学旅行こそスマホは必須 ルールと線引きを明確に! ◆てんやわんやの遅刻欠席早退フォーム 特に困っていないから電話のままで 地道に根回しや説得を試みる 反対意見が続出 「安易な欠席」への対策を練る 管理職のひと声で試験導入が決定 正式導入から1年経って 第4章 やっとここまでDX ◆生徒用タブレット端末の試験導入 それまでの勤務校の状況 文科省がスマホを公認した 80台のタブレット端末が配備されたものの ログイントラブルの原因 追加配備のもどかしさ ◆念願の一人一台端末! 朗報と残ったモヤモヤ タブレット端末到着 設定作業をいかに簡略化するか ◆校則の変更から運用開始まで 端末のルールをどうするか 生徒指導部からのちゃぶ台返し 探究担当の先生からの訴え みんなで行った設定作業 ◆一連の事案を振り返って 学校には悪しき文化がある 【やってよかったこと】 【新しいことを進めるための手法】 第5章 なぜDXが進まないのか ◆二項対立の背景 かつて教員は職人だった 無駄な努力を必要としない時代がきた 必要なのはお互いのリスペクト ◆チョーク&トークへのこだわり ノートに手書きで書くことの優位性 生徒の気持ちになってみる それぞれのツールの強みを知ろう ◆学校の「紙」文化の歴史をひもとく 印刷技術に支えられてきた学校 コストの面から考えると… ◆ハンコの存在価値 ハンコがあることでコミュニケーションが生まれる? ハンコの価値は上司の価値 コストがかかるほど良いという信念 ◆学校における電話の現状 電話には出られないのが当たり前 教員に外線がかかってきた場合のやりとり 電話は人の時間を突然に奪う LINEでよい場合も ◆LINEで生まれた新たな感覚 LINEの「トーク」は同期? 既読がついても返事が来ない場合がある ◆誤解を解いてリスペクトを 【コラム】 コストと主体性の関係 デジタル化とDXの違い 反対意見にはこう反論する ステージ発表が中止になった理由 「学校DX物語」年表 参考文献紹介 あとがき #魚住惇#評価3 プロフィール 本かつおXFacebookInstagramLINEContact「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。