本かつお
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●なぜ気になったか
もしかして勝てるかも、と期待もしたが、ゴロフキンはやはり強かった。戦う前から負けた後まで、村田さんが何を考えたのか、やっと知ることができる日が来た
●読了感想
延期延期延期、相手は自分より強いはず、そんな状況だったのに、前半優位でもしかしてと思わされた戦いができた理由がわかった。父との話は全くなかったので別で出版されるのを期待
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 普段はあれこれ考えすぎるほど考えてしまうタイプの人間なのだが、これまでの経験から、試合ではその弊害を感じていた
- 自分自身に幸せや満足を感じるものを得ないと、永遠にさまよい続けることになる
- (メンタルトレーニングとして出された宿題は)、「楽しい、嬉しい、有り難い」を毎日探すことだった
- 「楽しい」って感情は、いろんな責任を持つ大人になると、意識がいかない感情
- 相手(ゴロフキン)の方がビックネームだし、強いという前提がどこかにあります。(中略)、そういう意味で「気負け」しているところがあります
- (世界選手権の決勝戦で)、「えっ、俺、世界一になっちゃうの」(中略)、勝利への色気やはやる気持ちとは正反対の、「勝てる」ことへの焦りや迷いの感情(が生まれた)
- 自己評価が低いからだと思います。心のどこかで「俺みたいなもんが…」という感情があるからだと思います
- 基本的に、勇気の経験や記憶よりビビり、ヘタレの記憶が頭をよぎっちゃうタイプなんですよね。根本的にビビりの自分がいるので、それがゴロフキン戦に出たら嫌だな
- Fight or Flight、戦うか逃げるか。闘争か逃走か。(中略)、諒太さんが最後の最後まで戦うべきは、自分のFlight(逃走)です(田中ウルヴェ京談)
- 「苦しい」を乗り越えるから「うれしい」を味わえるんですもんね
- (チャンピオンになった)世界選手権のあの日、僕は自分が不器用だということを認めて、(中略)、自分に対してかっこつけなくなったことが最大の勝因だったのではないだろうか
- 最後の最後に逃げて終わりたくないです。勝つ、負けるじゃなくて、そういう後悔とともに一生を過ごしたくないです
- 当時はパチンコをしたり、お酒を飲んだりして練習にも100%打ち込んでいなかった。(中略)、本気で勝負して傷つくことを恐れていたのである
- 我慢すべきことをちゃんと我慢して、しんどいことをちゃんとやって、度重なる延期にも耐えてきた。今までの試合に向かう過程は本当に褒めてあげていいと思っています
- 「おいおい、このままもらったらやばいぞ、お前」(中略)、声の主は他人ではなく、もう一人の自分だったように感じている。自分の体から遊離した場所から聞こえてくる感覚があった
- これでの試合との違いといえば、(中略)、試合には負けたのに、今までにない満足感を覚えている自分がいた
- 自分をちゃんと認めてあげることができれば、他者との比較はさして気にならなくなることをゴロフキンとの試合を通して知ることができた
- (諒太さんは)、ご自分の美学として「調子に乗ってはいけない」という思いが非常に強い人なんです。それがちょっと邪魔をしているように思いました(田中ウルヴェ京談)
- 試合後は、私も1ヵ月ぐらい落ち込んでいました。きつかったです。(中略)、寝られないんです、悔しくて。自分で馬鹿じゃないって笑っちゃうんだけど、すごく泣きました(田中ウルヴェ京談)
- 諒太さんに限らず、一生懸命で真剣な人の話を聞けるこの仕事はとても学びがあります。一生懸命人の目や空気感は、人間のすごさを学べるんです(田中ウルヴェ京談)
- 最後に告白しますと… . (中略)、今回は感染中とても怖かったです。(中略)、どうしよう、逃げないで戦いすぎちゃったらどうしようって(田中ウルヴェ京談)
- (田中)今までも「助けてください」なんて言ったことないじゃないですか。(村田)いや、僕の中では「ちょっと話、聞いてください」は助けてくださいに近いですよ
- (村田)(ゴロフキン戦)以上に、自分と向き合える気がしない。(中略)、(田中)ボクシングの山は登り切ったのかもしれないですね
●目次
- まえがき
- 第1章 激闘
- 2022年4月9日
- 101日遅れのゴング
- ゴロフキンの本領
- 第2章 挑戦
- 日本ボクシング史上最大の一戦
- 田中ウルヴェ京さん
- 王者の中の王者
- ジョハリの窓
- 第3章 試練
- 7度目の中止・延期
- ミドル級の壁
- 帝拳ジム・本田会長
- 消えない雑念
- 殴りたくない
- ポジティブな感情
- 第4章 恐怖
- 36歳の誕生日
- 開き直り
- ダメ出しがほしい
- 自己肯定感
- 第5章 覚悟
- 闘争か逃走か
- 折れない自分をつくる闘う心
- 恩師の涙
- 第6章 余韻
- 証言 スポーツ心理学者・田中ウルヴェ京が語る村田諒太
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。