読了

光のとこにいてね/一穂ミチ

本かつお
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●なぜ気になったか

2023年本屋大賞3位作品。人の感情が交錯するストーリーは大好物だが、ボーイズラブ系は未読だがおそらく苦手。BL小説家の作品を受け入れられるか確認するために読んでみたい

●読了感想

これはGL小説なのであろうか? ドロドロした同性愛的なのはBもGも受け入れがたいが、本作のような恋愛に近い友情レベルであれば問題なかった。流れるような展開に引き込まれ、一気読みで楽しめた

アマゾンレビュー

●心に響いたフレーズ

  • 全部違うから私は果遠ちゃんが好きなのかな、と思った。全部私と一緒だったら、つまらないかもしれない
  • お母さんのことはまあまあ好き。お母さんがいなければごはんも食べられないしお風呂にも入れないから、好きでいるほうが楽
  • 本物のクリスチャンじゃなくてよかった。お祈りした結果がこれだと、神さまを嫌いになりそう
  • 目の前に人がいるだけで何となくストレスなのに、藤野さんは余計な気を回して下手な雑談を振ってくる。(中略)、藤野さんの覚束ない不器用さにもうんざりしてしまう
  • 何て的外れなことを言い出すんだろう。砂糖の中に砂粒を混ぜられたようで不快だった
  • 周りが敷いたレールに乗っかるのはすごく楽。でも、一度レール上で思考停止してしまう、途中で進行方向を切り替えるのはすごく難しい
  • (外していた指輪を)、左手の薬指に嵌め直すと、ひんやりとした違和感を覚えた。普段、身につけていることを意識しないくらい馴染んだリングなのに、なんだか窮屈だった
  • 夜明けのピンクと夕方のオレンジが好き。(中略)、照れた横顔を盗み見た時に拡がった、私の心臓を染めていく温かな感情は何色だろう
  • 何より「家庭の味」だの「お袋の味」だの恥ずかしげもなく言う男にろくなやつはいない。これは、昔バイトしていた飲み屋のママさんの持論
  • 作ってもらうっていうのがポイント。ココアって、人に作ってもらって嬉しい飲み物ナンバーワンじゃない?
  • 互いが互いの日常のひとコマになったような錯覚が、灯台の光にも似た鮮烈さで私の胸を一瞬よぎり、照らした
  • (小さいうちは)、喜びが一定の閾値を超えると恥じらいを見せる子は結構多い
  • (彼は)、無口で、面白いリアクションをするわけでもないけれど、水槽の中の水草みたいにそっと酸素を供給して、傍にいる人の呼吸を楽にする穏やかさを備えている
  • 間髪を容れない答えは、嘘だと言っているようなものだった
  • あなたにもあなただけが大切に思うものや秘密があって当然だよ。心の中の家に誰をどこまで入れるかはあなたが決めていいの
  • その時、その瞬間を生きている子どもに、時間の効能を説くのは残酷だ
  • 「何か、伝えとくことあるか?」「いい。何もない」正確には、ありすぎてまとめるのが不可能だった
  • 「辞めたくならなかった?」「なるなる。1日百回くらい思う。でも百日に一回くらい、それを上回る楽しいことが起きるから」
  • 「あなたに感謝してる。あなたを尊敬している。あなたに不満なんかひとつもない」「それは優しい嘘だね」

●目次

  • 第一章 羽のところ
  • 第二章 雨のところ
  • 第三章 光のところ

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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