本かつお
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●なぜ気になったか
初めて読んだ『桃を煮るひと』の評価は★1つ。その評価が正しかったか気になって、次に読んだ『うたうおばけ』は★5つ。いったいどちらの評価が正しいのか確認するために読みたい
●読了感想
評価★4つ。言葉遣いの感覚が鋭く、会話が独特のスピード感があり好み。ほとんど被災という被災をしていない被災県民の気持ちに気づかせてもらえた。同じ立場だったら僕もきっと同じ気持ちになったはず
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- (東日本大震災)、あまりにも普通ではない揺れだったので食卓の下に潜った。避難訓練って意味あるんだ、と妙に冷静に思う
- (東日本大震災での母の言葉)、「怪我はなかった? そう。大丈夫だからね、大丈夫。しっかりしないとね」母の大丈夫、は私に言っているのではなく、自分に言い聞かせているようだった
- (東日本大震災では)、さまざまなチェーンメールが回ってきて、「根拠のない情報を拡散するのはやめましょう」というチェーンメールも来たので、私はそれだけを回した
- 「味はあんまり覚えていなくて」「てことはまずくはないってことだ」「まぁ、たぶん…」
- 文旦(ザボン)の黄色が視界をうるさいほど明るくする
- (東日本大震災が起きたその日、避難所で)、両親は車で海に向かって行ったことを話すと、家族で避難してきた同級生の両親が祈るような顔をした
- 人のためになろうとしないで、何がしたいかなあ
- 「目玉の特集は震災後もがんばる輝く女性たちの特集がいいと思ってる」(中略)、「輝く女性、ってのはやめませんか。そういう言い方されるとオエってなっちゃいますし」
- わたしは「被災県在住だが被災者とは言えない」という自分の立場のことをいつも考えていた。(中略)、沿岸の方の話を聞くと(なにも失わなくてごめんなさい)と思ってしまう
●目次
- 滝の絵(二〇一一)
- Zamboa(二〇一六)
- スズランテープ(二〇一六)
- エスカレーター(二〇一六)
- 石巻(二〇一七)
- 春の海(二〇一九)
- 鴨しゃぶ(二〇二〇年)
- 黒板(二〇二一年)
- 桜(二〇二一年)
- あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。