本かつお
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●なぜ気になったか
お金に関する経済教養小説。概念的なことは単純には説明しづらく、ストーリーを絡めての説明が理解しやすいし考えやすい。お金に関する物語、おもしろそうなので読みたい
●読了感想
半隠居になり足るを知る生活の今は、お金への執着は薄れたし書いてあることに賛同できる。しかし、働き盛りのときは、言っていることを理解しつつも、同じような賛同はできないと感じたかも
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 知恵は育てるもんや。重要なのは、自分で調べて、自分の言葉で深く考えることやで。
- これまで冷たいものだと思っていたお金には、みんなを結びつける力がある。その優しさに触れた気がした
- お金で問題を解決できるのは、そのお金が使える時だけ
- お金を払うというのは、自分で解決できない問題を他人にパスしているだけ
- 経済は経世済民の略語や。本来、経済はみんなが協力して働いてみんなが幸せになることなんや
- 「いいね」が欲しくて写真を撮ることに夢中になると、今を楽しめへん。それと同じで、GDPを目的にすると、肝心の幸せになることを忘れてしまうんや
- 何が正しいかは自分で見極めんとあかんのや
- 「私たちは、お金を過信しているんですね」(中略)、「お金は無力なんや。それに気づかへんと、お金を集めることだけに夢中になる」
- みんなを等しく便利にした会社の創業者が、結果的に大金持ちになったんや
- (ギリシャとか)破綻した国は、国の中の人たちが働かなかった。家の借金と同じで、外側にいる人に頼りすぎたんや
- 「働く女性」という表現をするとき、専業主婦は含まれない。家族のために家事をしたり、子どものために育児をしたり、しっかり働いているにもかかわらず。ここでの「働く女性」も、「お金を稼ぐ女性」という意味で使われている
- 1人ひとりが誰かの問題を解決しているから、僕らの社会は成り立っている。(中略)、お金が社会を支えているわけやない
- 〝ぼくたち〟の範囲は、知り合いかどうかではなくて、僕らの意識次第や。お金の奴隷になっている人ほど、この範囲はせまくなって、家族くらいしか入らへん
- 愛する人を守ろうと思うと、社会が他人事でなくなる。(中略)、その人を守るためには、社会が良くなることを願う。〝ぼくたち〟の範囲が広がるんや
- 愛って、常に時差があって届くんじゃないかな。(中略)、過去から現在、現在から未来への贈与で社会はできている
●目次
- プロローグ 社会も愛も知らない子どもたち
- 第1章 お金の謎1「お金自体には価値がない」
- 燃やされるお金
- 捨てることのできるチケット
- 金と欲望の歴史
- 難しい単語に満足する人たち
- 水を一万円で売る方法
- 税金に隠された秘密
- 即席でできる家庭用紙幣
- トランプと札束が同じに見える瞬間
- お金が広げる社会
- ボスの正体
- 第2章 お金の謎2「お金で解決できる問題はない」
- お金はえらくない
- 百万円とドーナツの問題解決力
- お金のむこうに人がいる
- パスされた解けない問題
- お金の力は選ぶだけの力
- 七海の事情
- お金を過信する国の末路
- 紙幣で穴埋めできない生産力
- 経世済民という優しい経済
- 点数に取り憑かれた現代社会
- ムダな仕事をなくすための条件
- 第3章 お金の謎3「みんなでお金を貯めても意味がない」
- お金の地動説
- 休日にお金を使えない街
- 1億2000万人のイス取りゲーム
- 増やせないお金
- お金が隠す人々のつながり
- 未来に蓄えるもの
- 値段で価値は測れない
- 内側と外側の価値の違い
- 奪い合うお金と共有する未来
- 第4章 格差の謎「退治する悪党は存在しない」
- ボスとエンジェル投資
- 投資と世界の格差
- お金の格差と暮らしの格差
- 格差を減らす大富豪
- 若い時間が未来を創る
- お金の向こう研究所
- 投資と消費のお金が選ぶ未来
- 格差を作る犯人
- 再分配の雨
- 過去の重荷と未来への期待
- 第5章 社会の謎「未来には贈与しかできない」
- 将来のツケにならない借金
- 内側と外側で働く人々
- 欲しがる預金と拒む借金
- 同じ世代の中の格差
- 時間は戻らない
- 働けなくなった国の行く末
- 将来のツケになる本当の赤字
- 世界は贈与でできている
- 最終章 最後の謎「ぼくたちはひとりじゃない」
- エピローグ 6年後に届いた愛
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。