本かつお
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●なぜ気になったか
小説家の、ストーリーを創造し文字で表現する才能には畏怖の念を抱く。書くからには名誉ある賞を熱望する作家さんもいるはず。作品を生み出す過程や賞への強い思いがどのようなものなのか知ることができるであろう作品、読みたい
●読了感想
すばらしい! 本屋大賞はおもしろいけど芥川賞や直木賞はおもしろくないんだよなぁ、という長年のモヤモヤを、「そうか、そうゆうことね、確かに!」と払拭してくれた。「本屋大賞を取りたい!」という村山さんの志の高さを感じた
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- アウディを選んだのはこれ見よがしのベンツが下品に思えたからで、最近は猫も杓子もSUVにばかり乗りたがるからあえてセダンにした
- ブランドの名前や格は畢竟、所有する者の自己満足のためにある
- 感情移入しやすい小説は、必ずしも文学賞に向いていないのだ
- 『次々に登場する人物が皆、作者の語りたいテーマを代わりに語るなど作為が見え、かえって小説がこじんまりとしてしまった』(中t略)、「それの何がいけないんだよ。小説なんてそういうものだろう」
- そもそもテーマが陳腐。ありがちな社会問題をそのまま書きすぎね。(中略)、そういう流行りの題材を滔々と語るのって小説のやることかしら
- (作者が登場人物に)、寄り添うどころか行き過ぎて同化してしまうから、会話も地の文も説教くさく響くのよ。あれこれ理由付けしないと人の不幸ひとつ描けないんだったら、それはあなたの筆が足りてないだけ
- 梨絵は、あたしの気持ちのわずかな揺れさえも見逃さずに気遣ってくれる。ほんの小さな擦り傷にもちょうどいいサイズの絆創膏を差し出してくれるみたいに
- 愛してるっていうのがぴんと来ないの。自分がちゃんとわかっていない言葉で気持ちを伝えたりしたら、ぜんぶ嘘になっちゃうでしょ? 私にとっては、大好き、が最上級なの
- あえてそこを削ることで、かえって感動が深まる気がするんです。言葉で説明するよりも、無限に創造させるというか…読み手を信じて投げかけるというか
- 欠点は、必ずしも全部取り除けばいいというわけではない
- 物事をその場でサクッと決めることのできない人間と話すと、本当に消耗させられる
- (直木賞を選考する上で)、俺が最も重視してきたのは、志の高さかもしれないな。(中略)、自分はどうしてもこれを書くんだ、という志。それさえこちらにビンビン伝わってくるなら、(中略)、思いっきり推したくなっちゃう
●目次
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。