本かつお
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●なぜ気になったか
直木賞作品『しろがねの葉』で知った千早茜さん。あまりにもその印象が強く、暗めの作品を書く作家として記憶された。本書の紹介に「お茶目な食エッセイ」とあり、記憶したことに間違いがあるようなので、修正していいのか確認したい
●読了感想
「へぇー、こんなエッセイも書かれているんだ」、と千早茜さんの(僕が知らなかっただけだが)新たな作風を知ることができたのは収穫。しかもこのシリーズは本作が4作目。楽しめる過去作が3作あることに心が踊った
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- (直木賞の待ち会の段取りには)、作家という社会性のなさそうな人種を信用してない気配がひしひしとする
- 親しくない人と同室で(過ごすと)、音や匂いが気になって眠れない。入院したときは、このままここにいたら睡眠不足で死ぬから退院にさせてくれと懇願したくらいだ
- 集団行動が苦手な小説が少なくないようで、とある方は、こうした公式訪問中に泣きながら逃亡し「集団行動ができるなら作家になんてなっていない!」と絶叫したそうだ
- 人生で恋したことが片手におさまるくらいしかない。ほとんど恋に落ちない私の様を、親しい人は「彗星のようだね」と言う。十年に一度くらいしか地球に接近しない彗星。非常に稀なもの
- 桃のほんのりピンクで官能的な容姿
- テーマパークというものが苦手だ。廃遊園地とか廃墟は好きなのに
- 京都という観光地に長年住んでいたからわかる。人が増えると空気に苛立ちが散らばる。人が多いことによっておきた不測の事態に「こんなはずじゃなかったのに」と不満がつのる
●目次
- 「わるい」懊悩
- 待ち会、ふたたび
- 冷蔵庫の卵
- 石見銀山編
- 炙りたい剥きたい
- 恋愛駆け込み寺
- 家路が遠い
- お桃さま
- 引っ越しの条件
- 初体験の夏休み
- なみまの原木
- せりの街
- かがやく馬
- 肉のお花畑
- 白雪姫の歯形
- 愉快などら猫
- 姫と騎士修行(前編)
- 姫と騎士修行(後編)
- 呪いの真実
- 退屈しない飴
- 韓国のスプーン
- 眠る人
- だんごエンターテインメント
- 初めての
- 砂の逆襲
- 艶バター
- トロフィードーナツ
- グレーの食べもの
- 安息の地(前編)
- 安息の地(後編)
- なみまの あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。