本かつお
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●なぜ気になったか
『うたうおばけ』は最高評価の5だったけど、食にこだわりがないからか、『桃を煮るひと』『湯気を食べる』の食べ物エッセイは合わなくて評価は2。基本的には好みの作家さん。今回はエッセイでなく初の小説作品集。楽しめるかどうか確かめたい
●読了感想
歯切れの悪い終わり方の小説には「なんだよ、これっ」になることが多いが、不思議なことに本作品たちのそんなモヤ感は余韻で心地よかった。情景が思い浮かぶ作家さんは多いが、心象も思い浮かぶくどうさんの卓越した表現力がそうさせたのかな
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- (婚約を破棄してきた彼が言った)、『(怜香には)、もっといい人がいるんじゃないか』なんて、わたしに言ってるんじゃなかったよぜんぜん。自分にそう思ったんだなぁってわかって、へーそうですか、って思った
- 大丈夫だと思うし、大丈夫じゃないとしても、大丈夫に見せたいなら大丈夫でしょ
- 結婚しているわたしが独身の人に言う『いいなあ』と、独身の人がわたしに言う『いいなあ』だと、わたしのほうが言っちゃいけない『いいなあ』な気がして、ときどきそれ、すっごいいやなんだよ
- 7月の晴れた夜。ブラウス一枚で心地のいい風を浴びながら帰宅できる気候がこのまま死ぬまで続いてくれたらいいのに
●目次
- スノードームの捨てかた
- 鰐のポーズ
- 川はおぼえている
- 背
- 湯気
- いくつもの窓
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。