本かつお
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●なぜ気になったか
最近の推し「三宅香帆さん」。加筆修正再編本含め、刊行された本は読みたくなるし、ポッドキャストの『こんな本、どうですか?』や『視点倉庫』を過去配信に遡って聞いているし、ネットやテレビ出演に気づけば見ている。推しの最新刊、もちろん読む
●読了感想
タイトルから想定された内容とはちょっと異なり、「正解を求める若者たち」ならばしっくりきた感じ。最近、本や映画のレビューで僕には考えられない高評価に驚くことが増えているのだが、「考察する若者たち」が増えているのかな?と考えさせられた
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 作者は作品の生みの親ではあるが、親が子のことをすべて理解しているとは限らない。それと同じで、作者が作品のことをすべて理解しているとは限らない
- 考察=作者が提示する謎を解くこと、批評=作者も把握してない謎を解くこと
- 考察には「正解」がある=報われるゴールがある、批評には「正解」がない=報われるゴールがない
- 萌え=好き (瞬間的)、推し=好き+行動する対象(継続的)、報われない「萌え」、報われる「推し」
- 努力が報われない社会だからこそ、「転生」は流行する
- 堀江の著作には1を100にする方法が述べられているとすれば、西村の著作はマイナス100を0にする方法を解いている。だからこそ、生きているうえで多くのマイナスを抱えた生きづらい「庶民」の人々に届く
- 世界はそこまで努力に対して素直に答えてくれはしない。(中略)、結局努力が報われるのは運によるところが大きいことが」わかってきた
- 情報があふれる社会において「自分は自分だ」と焦らずにいることは、どれほど難しいことでしょう。どれほどの経験を積めばそう思えることでしょう
- 仕事とは気持ちよさや好きといった実感を得るためのもの
- アルゴリズムに乗ろうとすると、発信者の個別性なんて言っていられず、最大公約数に合わせるしかない。(中略)、するとどうなるか。受信者の個別性も失われていくのではないか
- プラットフォームのアルゴリズムにおいてさまざまな人びとが意見を対立させ、正しい意見なんてないことが知れ渡った世の中
- 界隈=フラット、正しさがない、親子=ヒエラルキー、正しさがある、はたして私たちは、すべてがアルゴリズム化していく、つまり「界隈」化の進む社会のなかで、どのように生きることができるのだろう
- 世界には絶対的な正しさなんて存在するのだろうか? (中略)、国によって、解釈によって、利害によって、正しさは異なる
- AIは特定のAI文化圏(つまりデータを吸い上げる元ネタ)の場所における、とりあえずの正しさを提示する存在である。AIの正しさとは、カッコ付きの「正しさ」でしかない
- AIのような、とりあえず目に見える「正しさ」にしがみつくとき、私たちは報われるのだろうか?
- たとえ作者であっても、作品の読み方の正解は持っていないはず。(中略)、物語は物語であり、その受け取り手がどんなふうに物語を見るのかを決めていい
- 最適化するあなたに意味があるのではない。あなたの固有性のほうがずっと意味がある。だから報われなくていいのだ
- 「インターネットはリアルの世界じゃないから」と言っていた時代が終わりつつあるんですよ。リアルがどんどんインターネット的に。
●目次
- まえがきーー若者が考察動画を検索する理由
- 第1章 批評から考察へ
- 『あなたの番です』『変な家』『君たちはどう生きるか』
- 令和の「考察ドラマ」がヒットする理由
- 作者が意図しない謎解きーー『最愛』『VIVANT』
- 令和の大ヒット小説『変な家』は「考察小説」
- 「考察」によるヒットーー『鬼滅の刃』『ONE PIECE』『進撃の巨人』
- 批評の時代から、考察の時代へーー『エヴァ』の変化
- ジブリが提示する考察への回答
- 正解がない批評、正解がある考察
- 第2章 萌えから推しへ
- 『【推しの子】』『アイドル』『絶対アイドル辞めないで』
- 「推し」の時代、「萌え」の時代
- なぜ「萌え変」とは言わないのか?
- 報われない「萌え」、報われる「推し」
- 令和のアイドル像を歌ったYOASOBI『アイドル』
- 報われないおとぎ話を歌う『絶対アイドル辞めないで』
- 第3章 ループものから転生ものへ
- 『転生したらスライムだった件』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
- 『転スラ』から読み解く「転生」ブーム
- 「ゲーム的リアリズム」から「ガチャ的リアリズム」へ
- 『あの花』は「親ガチャ」無効化小説である
- 現代の若者は努力したくないわけではない
- 第4章 自己啓発から陰謀へ
- 堀江貴文『多動力』、ひろゆき『1%の努力』
- 「報われポイント」があるSNS
- 「庶民」の側に立とうとするひろゆき
- 令和に論破が流行る理由
- 「ひろゆき的思考」と陰謀論の共通点
- 「動く」自己啓発書から「気づく」陰謀論く
- 第5章 やりがいから成長く
- 『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』『働きマン』
- 陰謀論に乗ってしまった主人公
- 公平な「報われ度」を求める若者たち
- 『ゆるい職場』が示す、横並びの成長欲求
- 『働きマン』の「やりがい」よりもほしいもの
- 第6章 メディアからプラットフォームへ
- 『スマホ脳』『一般意志2・0』
- SNSはもはや承認欲求を満たす場ではない
- 記憶できなくても刺激は得たい
- 令和のヒットの法則はアルゴリズムにあった
- プラットフォームがヒットを生み出す時代
- AIアルゴリズムが個別性を失わせる
- 第7章 ヒエラルキーから界隈へ
- 『スキップとローファー』『違国日記』
- エコーチェンバーが人を過激にしたわけではない
- 『スキップとローファー』で描かれる「界隈」
- 『違国日記』における疑似親の存在感
- 「界隈」=フラット、親子=ヒエラルキー
- 「界隈」化の進む社会でどう生きるか
- 第8章 ググるからジピるへ
- ChatGPT、『NEXUS』『わたしを離さないで』
- コンテンツ履修社会
- 若者に広がる「報われ消費」
- 「正解を提示する擬似親」としてのAI
- ウェブからコクーンへ
- 目に見える「正しさ」で報われるか?
- 第9章 自分らしさから生きづらさく
- 『世界に一つだけの花』『世界99』、MBTI
- ランキングからアルゴリズムへの変化
- 固有名詞の解体
- 最適化された自分
- 自分らしさから生きづらさへ
- 界隈とMBTIが流行する理由
- 終章 最適化に抗う
- そして『スキップとローファー』『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』
- 感想から考察へ
- キャラという最適解
- なぜいまゲーム実況が流行るのか
- 考察から批評へ
- 最適化に抗う
- もしやりたいことができたら
- あとがきーーやりたいことや自分だけの感想を見つけるコツ
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。