読了

「あなご」とは/片山知史

本かつお
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●なぜ気になったか

3年ほど前からあなご釣りにハマり、機会をつくっては出かけ、煮あなごでおいしくいただいている。丸ごと1冊あなごについて書かれた本が出版されるなんて驚き。結構不思議に思える生態が多いあなご、さらに詳しく知り、もっと多く釣るために役立てたい

●読了感想

昔からアナゴ釣りしているほとんどの人は「昔はもっと釣れた」と言う。本書にマアナゴ漁獲量が年々減少し、20年前に比べて90%減になっているデータがあり、実際に激減していることがわかり驚いた。雄雌の違いや行動など、参考になる知識が得られた

アマゾンレビューなし

●心に響いたフレーズ

  • 伊勢・三河湾で操業する小型機船底びき網漁業とアナゴかご漁業では、5〜8月に多い
  • 伊勢・三河湾では全長25〜40cmが多く、その約9割が雄であるが、40cmを超えると雌が多くなり、45cm以上ではほぼ雌となる
  • (伊勢湾では)、雌の移動は緩やかだが、成長の速い個体は5月から、遅い個体も1歳の9月頃から湾外へ移動するようになり、渥美外海の水深150mまでの大陸棚で過ごした後、熊野・遠州灘のさらに沖合へ移動していく
  • (伊勢湾では)、雄の移動は明確で急激といえる。伊勢・三河湾では1歳の9月以降、40cm以上に成長した個体から次々と湾岸へ移動し、45cmになるといなくなる
  • (マアナゴは)、目で見て餌を探すのではなく、匂いを頼りにしている
  • マアナゴは、近年の海水温上昇や海域の栄養状態の変化により、日本列島の南半分(関東以西〜九州、瀬戸内海)で漁獲量が激減している
  • (マアナゴの肥満度は)、春とされる春6月に最も高くなる
  • 飼育実験の結果により、(雌は)、冬から早春に30cm以下の極小サイズの個体を蓄養すると、夏には最適サイズ45cmに達し、晩秋には60cm以上の極大サイズに達することがわかった

●目次

  • まえがき
     
  • 第1章 マアナゴを含むクロアナゴの分類とマアナゴの個体群構造
    • 1-1. クロアナゴの分類学
      • 1-1-1. クロアナゴ属の魚類
      • 1-1-2. クロアナゴ属の種の検索
    • 1-2. クロアナゴ属魚類の分布
      • 1-2-1. クロアナゴとダイナンアナゴの判別
      • 1-2-2. クロアナゴとダイナンアナゴの分布
      • 1-2-3. クロアナゴとダイナンアナゴの年齢と成長
      • 1-2-4. 大西洋のクロアナゴ属魚類
    • 1-3. 遺伝子マーカーによる集団構造
    • コラム1 CT 画像からみるマアナゴのカラダ
    • コラム2 葉形仔魚 leptocephalus の読み方
       
  • 第2章 資源調査から解明されたアナゴ類の生態と生活史
    • 2-1. 産卵場と初期生態
      • 2-1-1. 産卵場の発見
      • 2-1-2. 葉形仔魚の分布と接岸
      • 2-1-3. 変態と着底
    • 2-2. 年齢、成長、移動、食性
      • 2-2-1. 年齢、成長,移動(総論)
      • 2-2-2. 雌雄の移動様式・産卵回遊一伊勢・三河湾と周辺海域
      • 2-2-3. 仔稚魚の食性調査一瀬戸内海東部海域(播磨灘)
      • 2-2-4. 環境変化と食性一大阪湾
    • 2-3. 蓄養と飼育
      • 2-3-1. 蓄養の試み
      • 2-3-2. 成熟産卵様式
    • コラム3 マアナゴの年齢査定法
  • コラム4 下りアナゴ
     
  • 第3章 マアナゴ漁業、資源動態,資源管理
    • 3-1. 日本におけるマアナゴ漁業
      • 3-1-1. マアナゴ漁業
      • 3-1-2. ノレソレ漁業
      • 3-1-3. 資源管理施策
    • 3-2. マアナゴ漁業・漁具の特性と小型魚保護
      • 3-2-1. マアナゴ漁業の漁具特性
      • 3-2-2. 小型魚の保護と漁具選択性
    • 3-3. 内湾域の貧栄養化の影響
      • 3-3-1. 伊勢・三河湾
      • 3-3-2. 瀬戸内海東部海域
    • コラム5 東京湾アナゴ筒漁の先駆者・齋田芳之氏
       
  • 第4章 あなごの食文化と流通・
    • 4-1. 江戸期以前の文献や資料にみられるマアナゴ
      • 4-1-1. 文献での初出
      • 4-1-2. 博物誌での記載
      • 4-1-3. 北斎漫画で描かれたマアナゴ
      • 4-1-4. 食材としてのマアナゴ
      • 4-1-5. 江戸におけるマアナゴ
    • 4-2. あなごの食文化と流通
      • 4-2-1. 東京湾
      • 4-2-2. 瀬戸内海、大阪湾
      • 4-2-3. 伊勢・三河湾
      • 4-2-4. 山陰、対馬
      • 4-2-5. ノレソレの食文化
    • 4-3. 築地・豊洲におけるマアナゴの流通
      • 4-3-1. 成分と価格の季節的変化
      • 4-3-2. 価格の経年変化
      • 4-3-3. 近年の流通の特徴・・・
      • 4-3-4. 韓国からの輸入アナゴ
      • 4-3-5. あなごの食文化と流通のむすび
    • 4-4. ペルーにおけるマルアナゴの生産状況と輸出実態
      • 4-4-1. マルアナゴの分布と資源生態
      • 4-4-2. 未利用魚から輸出水産物へ
      • 4-4-3. マルアナゴの生産状況..・・・・
      • 4-4-4. 漁獲量の経年変化…・
      • 4-4-5. マルアナゴの資源管理
      • 4-4-6. マルアナゴ冷凍開きの輸出量と輸出金額
      • 4-4-7. ペルーのマルアナゴの今後
    • コラム6 マアナゴ食文化を支える「あなごめしうえの」について….
    • コラム7 対馬のあなご

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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