本かつお
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●なぜ気になったか
僕は仕事や生活をする上で、やり抜く力や逆境から回復する力は大事との考えだが、著者はそれらは不要という考え。それが絶対悲観主義のよう。悲観主義、しかも「絶対」付き、受け入れられないだろうけど気にはなるので読んでみたい
●読了感想
「絶対悲観主義」を学ぶ本でなくほぼエッセイ。だが受け入れられる考えも多く楽しめた。僕も悲観主義を既に使っていた。失敗に対し「まぁそんなもんだ、それがどうした」とつぶやきラクになる、「絶対」でない「意識的悲観主義」を
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 「絶対悲観主義」(とは)、「自分の思い通りにうまくいくことなんて、この世の中にはひとつもない」という前提で仕事をする、(中略)、根本においてはわりとと緩い哲学
- うまくいかないだろうと事前に悲観的に構えておくと、うまくいったときに大変気分がいい。(うまくいくと思ってうまくいかなかった)よりもずっと幸福度が高い
- (絶対悲観主義は)、仕事に対して気楽に向き合える。失敗が気にならなくなり、リスク耐性がつく。たまさか首尾よくいったときは喜びにターボがかかる。(中略)、一石で何鳥にもなり(中略)、夢のような話
- (人間は)手っ取り早く幸せになる方法を探そうとする。そこに口を開けて待っているのが、刹那的な疑似幸福の罠です。「人の不幸は蜜の味」。他者の不幸を知れば相対的に自分が幸せであるかのような気分になれます
- 人間にとって最大の不幸は何か、(中略)、他人との比較−−より厳密に言えば嫉妬−−これこそが幸福の敵であり、人間にとって最大級の不幸のひとつ
- 自分について根拠のない有能感を持っているほど、無意味な他者との比較に陥りがち。(中略)、始めから自分の能力に確信を持たない絶対悲観主義者は、嫉妬とは無縁
- 不幸になるもうひとつのパターンは他律性です。すなわち「人から幸せだと思われていることが幸せ」だと思い込む。(中略)、幸不幸を決めるのは自分自身の価値基準しかありません
- どうせ思い通りにはならない。うまくいかなくても、「まあ、イイか」と「それがどうした」で次に行く
- (精神を落ち着かせる)副交感神経を活性化させるには、意識的に呼吸を深くする。鼻から四秒ぐらい吸って、口から八秒くらいで吐く
- 独裁者が率いる強権国家の最大のリスクは、独裁者が自分の死もしくは引退を現実問題として意識したときに陥る錯乱にあります
- 戦争抑止法の私案。 条文はひとつだけ。「第一条 戦争状態に入った時点で内閣を構成する大臣および副大臣の二親等以内かつ一八歳以上の健康な者は全員直ちに身体的危険を伴う最前線の戦闘業務に重視しなければならない」
- 僕は人を見るときは行為主義の立場を取ります。意見や主張はいろいろあるにせよ、結局のところその人が実際に何をして、何をしていないか。これがその人の本当を表している。
- 自分自身の価値基準がないと、外在的な基準にもたれかかるようになります。その最たるものがお金。一万円のお鮨は五000円のお寿司の倍おいしいはずだということになってしまう。こうなるとキリがありません
- (非社交的で仲間間の会話が苦手な)僕は人と話をするのであれば、きっちり議論というか意見交換をしたいタイプ。その人の考えを知りたい。自分の意見や自分の考えにその人がどう反応するのか、それを知りたい
- 品の良さの最上の定義だと僕が思うのは「欲望に対する速度が遅い」。(中略)、普通に欲はある。ただそれをなりふり構わず取りに行かない
- 絶対非間主義生活が長くなると、むしろうまくいかないことを積極的に楽しめるようになる。「ああ、やっぱり外したか」というときのじわじわとくる格別な感情を、じっくりと味わえる
- (失敗に対する)正論は単なる建前論で、何か責めてくる側が主張を正当化するための詭弁であることが多いものです。(中略)、一応は正論に耳を傾けているフリをしつつ、受け流しておくほうがイイ
- 「幸福になるのは、自分の好きなものを持っているからであり、他人が良いと思うものを持っているからではない:ラ・ロシュフコー」
- 「美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけるんだ:ゴッホ」
- 「元々やらなくてもいいことを効率よく行うほど、無駄なことはな:ドラッカー」
- 僕が大切にしているのは、具体的なキャリアプランやキャリア戦略ではなく、その時点でどの方向に行きたいのかという感覚。(中略)、もうひとつは、今の自分が大まかに言ってどのフェーズにいるのかという自己認識
- 「引退です、なんていうのはおこがましい。そのうち誰からも必要とされなくなるんだから、そうしたら煙のように消えてなくなればいいじゃない:高峰秀子」−−今の僕が考える理想の仕事の終わり方
●目次
- はじめに
- 第1章 絶対悲観主義
- 出力八割作戦
- その概念
- その効用
- 成功なければ復讐なし
- 第2章 幸福の条件
- 黒い巨塔
- 幸福と没不幸
- 他責鬱憤晴らし
- 微分派と積分派
- ブランディングよりブランデッド
- 信用と人気
- 幸福の敵
- 第3章 健康と平和
- 厄年の実感
- 高齢化問題の最終解
- 戦時下の日記
- 全員大損
- 戦争抑止法私案
- 第4章 お金と時間
- お金の三大特徴
- 柿ピー計算
- お金の持ち方・使い方
- 時間という平等な資源
- ルーティンの錬成
- トレードオフの選択
- 第5章 自己認識
- 自己と他者の認識ギャップ
- ターゲット顧客の声を聞く
- サーブ権はこちらにある
- 自己認識に近道なし(回り道もなし)
- 第6章 チームカ
- 深夜の海老名サービスエリア
- 組織力からチームカへ
- 大会戦から縦隊戦へ
- 『大脱走』に見る理想のチーム
- 「ソー・ロング……..」
- 組織を悲観し、チームを楽観する
- 第7章 友達
- 「友達申請」の不思議
- 偶然性・反利害性・超経済性
- 友達のジャンル
- テロワールの会
- 第8章 オーラの正体
- 昭和の大バンカー
- オーラの逓減
- カラフルな人
- 圧がある人
- 凄味のある人
- 第9章 「なり」と「ふり」
- 婚活に見る獣性
- スペックの誤認
- 品のある人
- 欲望に対する速度
- 潔さ
- 第10章 リモートワーク
- 因習と本性
- 効率と効果のトレードオフ
- スキルのコモディティ化
- 「リモート」より「ワーク」
- 第11章 失敗
- 第12章 痺れる名言
- 名言三条件
- 仕事のスタンス
- 藤沢武夫のインパクト
- うまいこと
- 第13章 発表
- セルフ発表
- 発表が先、オーディエンスは後
- 筋金入りの発表体質
- オーディエンスがいる幸福
- 伝えたいことだけを伝える
- 第14章 初老の老後
- 還暦大作戦
- Gシフト
- Gショック
- Gスポット
- Gの先輩
- フェードアウト
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。