本かつお
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●なぜ気になったか
2023年本屋大賞1位であり直木賞候補作、となると「読みたい」は超越して「読まなければいけない」1冊。凪良ゆうさんの作品は今まで読んだことがないので、相性いいか確かめたい
●読了感想
初の凪良ワールド、引き込まれて一気に読了! ありえないけど、あってもおかしくないような、あってほしいような、そんな気持ちにさせられた。歯車の噛み合わなさが切なすぎたけど、だからこその感動
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 後ろ手で襖を閉めた瞬間、メッキの笑顔がばりばりと剥がれ落ちていく
- 抱き合うか、しゃべるか、眠るか、わたしたちは高校最後の夏休みを贅沢に溶かしている
- 誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない
- 良い教師と良い大人はイコールではなく、良い大人と正しい大人もイコールでは結べない
- 上京用に2万円もするワンピースと新しい下着を買った。東京の女の子たちに比べてださいと思われたくない。でもその考えがもうださい
- 「わたしといるの、退屈?」とっさに答えられなかった。(中略)、嵐の前の静けさのような、なにかが手遅れになりそうな気配を感じた
- 人は変わっていくのだと今は思える。それは寂しくもあり希望でもある。逆に変わらない、いや、変われないことこそが不幸なのだとも知った
- 「もう駄目かもしれません」あっさりと口にすることができた。不思議なことに、口にした途端、それは既定の近未来だと納得できた
- 喧嘩のひとつもしない。収穫されなかった果実がゆっくりと腐っていくような関係だ
- 自分がかわいそうと思わなければ、誰にそう思われてもいいじゃないですか
- 自分がどうありたいかの選択権は、いつでも自分の手の中に在る
- きみはひとりで考えて、ひとりで反省して、ひとりで答えを出すんですね。(中略)、理性的すぎます。もう少し身勝手でもいいんですよ
- (あなたが)忙しいことはわかっている。けれどわかっていること、すべて受け入れることは別の問題だ
- 正しさだけですべてを決められたら、どれだけ楽だろう
- きみのそれは優しさじゃない。弱さよ。
- なにも考えないように努めた。少しでも心を揺らせば、胸に積もる不安という名の粉塵が舞い上がってしまう
- 「わたしには家族を支える責任があります」「ありません。そんなもの」間髪入れずに返された
- ぼくたちはそういう悩み深い生き物だからこそ、悩みのすべてを切り捨てられる最後の砦としての正論が必要なんです
- ささやかな波音だけが鼓膜をなでる。わたしが生まれた海は恐ろしくて優しい。なでられて、なだめられて、少しずつ落ち着いていく
- ぼくは過去に間違えましたが、「つい間違えた」わけではありません。間違えようと思って間違えたんです。後悔はしていませんが、そんな間違いは一度で充分だとも思っています
- 自分で自分を養える、それは人が生きていく上での最低限の武器です
- 「捨ててしまいなさい」「もしくは、選びなさい」捨てる。選ぶ。意味は違うのに限りなく近いふたつの言葉
- この風はあの風ではない。この季節もあの季節ではない。だから今を大事にするしかない。この風もこの季節も今一度きり
- 桜には情緒がないと言うと、たいがいの人にきょとんとされる。だって花を散らしてしまうとすぐに緑の葉が芽吹いて全体を覆い尽くしてしまう。はい終わり、次、という感じ
●目次
- プロローグ
- 第一章 潮騷
- 第二章 波蝕
- 第三章 海淵
- 第四章 夕凪
- エピローグ
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。