本かつお
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●なぜ気になったか
今は車に興味がない僕が「おっ!」と感じるトヨタ86。なんだろう、往年の2000GTの雰囲気をかすかに感じるからなのかな。どんな難産で生まれたのかを知りたい
●読了感想
僕も技術者だっただけに面白かった!86はスバルの水平対向エンジンと知り、ずっとスバルに乗っていた身としては嬉しくなった。ピストン径とストロークが86mmというのはできすぎ!
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- サラリーマンなら、何度か会社を辞めたい、と思うときがある。やりたい仕事と高い望みを抱いている人間ほど挫折も多い。
- やっぱり技術者はごちゃごちゃ言うよりも、現物を作ってみることだ。それで越えられる壁があるんだな。
- スポーツカーは、担当になって喜ぶようなものじゃない。普通の車の倍以上は苦労するんですよ。それを楽しいと言っている根性だったら、スポーツカー担当なんてやらないほうがいいですよ。
- スポーツカーをよく知らない社内の大多数は、たとえるなら盆栽を見て、「この小さな木からは材木が取れないからダメだ」と言う。
- わからないことや困ったことが起きても心配しない、(中略)、知らないことがあっても、むしろ当たり前だと考えろ。
- 直径とストロークをまったく同じにすれば、燃費と性能が一番いいとこで両立できる。ピストン径は86ミリ、ストロークも86ミリ。
- 一途な気性には、幸運の方からにじり寄ってくるものらしい。
- みんながみんな同じになっちゃうとダメなんだ。みんな同じだと、組織は活性化しないだろ。くそったれも会社に必要なんだ。
- 自分が失っていたものは、若いときにだれもが持っていた好奇心だった。
- 社長の豊田章男は約1時間も乗り回した。降りてくると、笑顔で「うん、いいね」と言った。完成が認められた瞬間だった。
- この人は苦しみながら、楽しんでいたのだろう。こんな笑顔を見るのが私の一番の喜びなんだ。その夜の夫はひどく人懐っこい顔をして、彼女も自然に小さな笑顔を開いた。
- 多田は頭から水をぶっかけられたように気になった。唯一無二のもの、自分たちだけの独創的なものを作ろうとしてきたはずなのに、カネの計算に追われ、いつの間にか初心を忘れかけていた。それを異国で指摘されて恥ずかしい気持ちになった。
- 家族も大事だが、まず自分が楽しくなければ生きている意味がない、と思っていた。エンジニアとは、良くも悪くも自己実現のためにお金をもらって仕事をする人種なのだ。
●目次
- プロローグ
- 第一章 憧憬が大きければ傷つくことも多し
- 一 車なんかやめだ
- 二 一日でも早く、一円でも安く
- 三 特命には裏がある
- 四 ネクタイはもう締めない
- 第二章 「Z」の系譜
- 一 役員より偉い技術者
- 二 できるわけがない
- 三 ボスひとり、部下ひとり
- 四 浮いたエンジニアの悲鳴
- 第三章 異端と異能がぶつかるとき
- 一 スバル町の人々
- 二 情熱で作るんだ
- 三 会社の境界を越えていけ
- 四 速い車じゃなくていい
- 五 五つの開発案
- 第四章 ごちゃごちゃ言うより作ってみろ
- 一 試作車が変えたもの
- 二 鬼島の一喝
- 三 開発コード086A
- 第五章 くたびれたホワイトナイト
- 一 虎の子の新技術
- 二 エンジンの親分
- 三 やってやろうじゃないか
- 第六章 誰でもいいってわけじゃない
- 一 プリウスのタイヤ
- 二 関所を抜けろ
- 三 助っ人集めの計略
- 四 のび太が三人
- 五 ちょいワルおやじ
- 第七章 役員審査をすっ飛ばせ
- 一 iPhoneみたいな車にしよう
- 二 オタクの声と社長の声
- 三 せめぎ合い
- 第八章 長かったなあ、と誰もが言った
- 一 話が通じないやつら
- 二 自動車王国の妻たち
- 三 エジソンのように売り込め
- 四 うちでもこんなのできるんだ
- 第九章 信じたことはやめたらいかん
- 一 トップシークレット
- 二 それならポルシェを買えばいい
- 三 バトンを渡してやってくれ
- 第十章 染みついた流儀を捨てろ
- 一 忖度しない男
- 二 ぬかるみは続く
- 三 伝道師、ドイツに行く
- 第十一章 会社のために働くな
- 一 最後のバリバリ車
- 二 スポーツカーは役に立たない
- 三 未来の種
- 四 みんなジャイアンになった
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。