読了

行きつ戻りつ死ぬまで思案中/垣谷美雨

本かつお
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●なぜ気になったか

ほぼ同年代の著者の作品タイトルは気になるものが多く、小説を何冊か読了済。本作は小説でなくエッセイ集。いっぱいうなずきながら楽しめそうなので読んでみたい

●読了感想

賛同できない考えももちろんあるがやはり同年代、時代の振り返り、先を見越しての生き方の考え方、「そうそう、そうだよなー」と頷きながら楽しめた。垣谷ワールドいろいろ読んでみよう

アマゾンレビュー

●心に響いたフレーズ

  • 子供たちもとっくに独立し、(中略)、高いほうのポンカンを買うくらいの余裕はあるのだ。だが、子育て期に骨の髄まで染み込んだ節約癖はどうやっても抜けない
  • 何歳になっても、誰しも何が起こるかわからないのが人生らしい
  • 世の中には何かというと、話せばわかると助言したがる人がいるけれど、骨身に染みついた考え方はなかなか変わらないと思う
  • マスクをつけていると、季節の移り変わりがわかりづらい。風を感じるのは顔の皮膚なのだと知った
  • 別れ際は必ず笑顔で。これは心しておきたい
  • 小説というのは、著者の経験や性格が如実に反映される。だがそれだけではなかった。書き手だけでなく、読み手の性格や考え方も色濃く浮かび上がってくるのだ
  • (相手の)気分を害するようなことを言った覚えがない。(中略)、思い当たる節があればまだ救われるのだが、ない場合は、なかなか落ち込みから這い上がれない
  • 早めに立ち直るためには、心の中をじっくり解剖する。(中略)、原因がはっきりすると、精神的にぐっと楽になるから
  • アメリカに憧れていた気持ちが一気に萎んだのは、トランプが大統領になったのがきっかけだった
  • 相手が誰であっても長時間一緒に過ごすことが苦手
  • (「一年生になったら」という歌の「ともだち百人できるかな」は)、無邪気で楽しそうに聞こえるが、孤独を愛する人や社交的な性格ではない私には脅迫に聞こえる
  • (歴史が苦手)、新学期早々はやる気を持って授業に臨んでいるから、最初の数ページだけは何年たっても印象に残っている。今も、戦国武将よりネアンデルタール人のほうに親しみを感じている
  • 昨今、差別的表現を排除しようとする傾向がどんどん強まっているが、何を差別だと感じるかは人それぞれだ。(中略)、「恋は盲目」という表現も使えなくなった
  • (思ったことをズバズバ言い合う世界は)、そのたびに傷ついたり頭にきたりして疲れ果ててしまう。精神的葛藤の時間がもったいない
  • 時間泥棒が増えた。(中略)、当面は毎晩寝る前に明日の「やることリスト」をメモすることで、少しは時間を大切にしようと思う
  • これから先どんな世の中になるのか想像もつかないが、変化のスピードが加速し続けるのは間違いない。(中略)、何歳まで時代についていけるのか。それを考えると不安になる
  • (インタビューが)、対面や電話の場合は、気づかない間に緊張しているらしく、話している最中にも、「おいおい、支離滅裂なこと言ってるぞ、大丈夫か」と自分に突っ込みを入れたくなることが多々あった
  • (他人に人生相談した際に)、「〇〇すべきだ」と全く迷いのない断定的な言葉が返ってきたことで、その後の人生を大きく左右され、後悔した苦い経験が何度もある
  • 常に楽しい気分でいる人間が勝ち組。(中略)、そうするためのコツは簡単なことで、暗い気分になることを暮らしから排除すること
  • (抱き合ったり頬をくっつけあったりする)、欧米のスキンシップの習慣を苦痛だと感じる欧米人もいるのではないか
  • (女子刑務所の)、重苦しい空気の中、底抜けに明るい一軍がいるという。それは夫殺しで入所した女性たち
  • (本を手当たり次第読むようになると)、死ぬほどつまらないと感じる本にときどき当たってしまうこともあるが、それでも得るところが必ず一つや二つはあるものだ
  • 日本の役所は、ネットを使えない人々に対する配慮を忘れてはいないらしい。(中略)、IT後進国だと諸外国からバカにされたとしても、IT弱者を切り捨てる国よりは百倍マシ
  • 人生を振り返ってみたとき、みんなそれぞれに後悔がある。だが時間的余裕があり、子育て期にしっかりと子供に向き合った人は、男女ともに人生そのものに後悔が少ないと何かで読んだ
  • 「そういう言い方、傷つくよ。やめてちょうだい。」(中略)、娘から言われることだ。素晴らしいと思う。本当にありがたいと思う。私も親にそれが言えていたなら、どんなに良かっただろう
  • たとえ些細なことでも行き違いがあると感じたり、誤解されたくないと思った時は、言葉を惜しまず、説明しなければならない

●目次

  • 「お金ならいくらでもあるの」と語った彼女
  • 腹十三分目
  • 嫌いなものは食べなくてもいい
  • 阿倍野マスクは捨てました
  • 断捨離もいいけど備蓄もね
  • 別れ際は必ず笑顔で
  • リアリティーとは何か
  • 嘘じゃありません、本当に私がやったんです
  • 私はイタイ人間です
  • 下手すぎる菓子折の包み方
  • 私は走って店から逃げました
  • 英語ペラペラになりたかった
  • アメリカ人はいいよね、英語が話せて
  • カタコトでもいいから英語で言ってあげてください
  • 漢字を捨てた国
  • 我らが漢字文化
  • 遠くまで来てしまった
  • マンガを読み倒した子供時代
  • アメリカに憧れていた子供時代
  • 新しい友人を作った
  • ドレッシングって何ですか?
  • 一期一会で終わらせないためには
  • 友だちは百人も要らない
  • タイムマシンに乗れた私
  • あなたは何度人生をやり直したところで大差ありません
  • 白い杖をつく人が増えた
  • 昔懐かしい女言葉の東京弁
  • 老後の楽しみにとっておくと言う老人
  • 歴史の授業は最悪でした
  • 「歴女」というのに、「歴男」と言わないのはなぜか
  • 最近になって、やっと歴史に興味を持ち始めた
  • オンライン授業
  • 小説の中の差別的な表現
  • 時間泥棒が増えた
  • ジュリアナ東京
  • のんびり過ごすにもコツがいる
  • インタビューは苦手です
  • 講演は苦手です
  • ニュースの洪水に晒される
  • ボランティアをやりたいが、果たして私が役に立つのか
  • 人生の勝ち組とはこんな人
  • 十二個入りの最中は多すぎた
  • 多忙な人は人を傷つけている
  • 頑固な先入観と言いますか偏見
  • あなたらしくないと言われても
  • 挑戦か安定か
  • 男性から握手を求めてはいけない
  • 女子刑務所は要らない
  • 『老い』をきっかけに人生を大転換させる
  • 遺品整理
  • 服はもう買いません
  • 家具はもう買いません
  • 土産は買わない
  • 自分が価値があると思うものにお金を使う
  • 著名な成功者の無責任な発言に憤りを感じる
  • 稼ぐ方法が増えるのは喜ばしい
  • エッセイ文化とプライバシー
  • イモトアヤコさんの影響力
  • 父は本当に死んだのか
  • くたばれ、ルッキズム!
  • デジタル庁長官の人選がおかしい件
  • IT後進国であることの幸福
  • 疲れ果て、子供たちを理不尽に𠮟った日
  • 一度母になったら死ぬまで母である
  • 子供はまだかと脅迫する世間
  • 子ガチャ
  • もっと言いたいこと言って喧嘩しよう
  • 賃金の価格交渉
  • 楽しい思い出を掘り起こして楽になろう
  • 家にプールがあるお嬢さま
  • 親も自分も赦そう
     
  • あとがき

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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