2023.05.03 2024.10.01 読了 エレガントな毒の吐き方/中野信子 本かつお 記事内に商品プロモーションを含みます ●なぜ気になったか 毒をはけるようになりたいのではなく、筆者の京都人に対する考えを知るのに読んでみたい。京都人ってそうなんだ!、と鵜呑みするのではなく一つの考えとして楽しみたい ●読了感想 僕としては、裏を読み合うよりは本音コミュニケーションがいいな。読み合いは誤解を招くリスクが高いし。副題には違和感! 京都人スタンスでは、察することができない人には伝わらないのでは アマゾンレビュー エレガントな毒の吐き方/中野信子 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング ●心に響いたフレーズ NOを言わずにNOを伝える〝大人の教養〟 ポジティブであることの価値を周囲が賞賛していればしているほど、ただ落ち込んでいるというだけのことが、自身を苛む棘に変化してしまいます 楽をしてしまった結果、かえって損をしているのかもしれない 京都人が、相手にわからないように嫌みを言うのは、防衛手段なのだ (隣の家の植木がはみ出してきたきているとき)、「はみ出していますよ」とは言わず、「こんなに元気に育って、いつもよく手入れされてるんでしょうね」を選ぶ 『「NO」と言える日本』が出版されて話題になった当時は、欧米白人相手のビジネスシーンでNOと言いまくる人が増えて、逆に「日本人は話の通じない奇妙な人たちだ」と思われたようだ 日本人は本当に「いいえ」を使わない。代わりに使う言葉は「難しい」「厳しい」「検討する」「また今度」「いつかね」「行けたら行く」など、ものすごいバリエーションがある。 少なくとも、やんわりと伝えてくれるということは、イヤな風には思ってほしくない、もっと良好な関係で長くお付き合いしたいということと解釈ができる 言わなくてもいい本音、というのは、ときには、言ってはいけないことでもあります (京都式では)、「ちょっと」で濁した場合は基本、拒否を意味する (京都式では)、おもしろいいこと言わはる」=「こちらとしては全く受け入れ難いことをおっしゃいますね」 (京都式では)、会話で「ほな」と言われたら、「話が長い」「もう話は結構」と言われていると考えていい (京都式では)、婉曲な言い回しは、相手の察しの悪さを矯正する意味がある (京都式では)、(浅知恵を披露して調子に乗っている人への)「よう知ったはりますなぁ」は暗に「知ったかぶりをやめろ」 (京都式では)、基本的に「考えておく」は、NOの意と考えておけばいいそう (京都式では)、直接相手に苦情を言うと、人間関係にヒビが入ることもあるので、一見、褒めているように言って、真意を言葉の底に分かりやすく置いておく 京都人は、相手に何かを察してもらいたいときに、そのことを直接言うのではなく、疑問形にして、本当に伝えたいことを考えさせるように言うことがある (コロナ禍に)、地元の京都に来週帰っていい?ってLINEしたら「東京大変らしいけど、そっちマスクとティッシュ足りてる?」っていう意訳すると京都に来るなっていう返信が秒で来た(みやびんのツイート) (それまでは何も言わずのお茶のお代わりを)、「いかがですか?」とわざわざ問いかけられ始めたとしたら、「そろそろお帰りくださいな」という気持ちを感じ取ったほうがいい 「〇〇XX?」と答えたくない質問をされたら、『「〇〇XX?」っておっしゃいました?』などとただ繰り返すだけでもいい 「それはあかんて、みんな言うたはる」こんな風に京都人が「みんな」と言う場合、それは100%「私」と置き換えてよい 京都式4つのキラーフレーズ、「おもしろいこと=理屈の通らないこと」、「元気=騒がしい」、「考えておきます=いいえ」、「しばらくお休み=やめます」 意外に居心地の悪い「褒め」に対するスマートな返し方は、「何も出ませんよ(笑)」 褒めと妬みは表裏一体 イケズを見抜くポイントは、にこやかに言われているのに何か引っかかる違和感をうまくキャッチすること 「本音で言う」コミニケーションは、伝達効率としては理想的なのかもしれませんが、人間関係を維持するということを目的とした場合、実はあまりいい方法では無いのかもしれません (占いの人曰く)、日本では、将来どんな悪いことが起きますか、と聞かれるが、欧米では、将来どんないいことが待っていますか、と聞かれる ●目次 はじめに 1章 NOを言わずにNOを伝えるコミュニケーションが今こそ必要な理由 あれこれ考えてしまって、自分の気持ちを言えないあなたへ ちょっとした「イヤな気持ち」、どうしてますか? 「あいまいさ」を賢く戦略的に使いこなす コミュニケーションも関係性も「その場限り」ではない、だから⋯ NOを言「え」ない vs. NOを言「わ」ない 日本人と「NO」 「いいえ」はいつ使われるか 「沈黙」が持つ粋とニュアンス 「京都のコミュニケーション」を今こそおすすめしたい理由 「本音を言い合う仲」は本当に最上か 「毒」までも「エレガント」にすることで生まれる価値 近しい相手への嫌みこそ、隠すくらいがちょうどいい 実は国際的な「本音を言わない伝え方」 毒の吐き方に見る知性 違和感が育む「いい関係」 「エレガントな毒」が持つポジティブなネガティブさ 脳は調和よりも論破を好むようにできている 誰もが持つ「打ち負かしたい」「論破したい」欲求 「一度きりの勝利」よりも大切なこと ますます大きくなる「言葉の力」に翻弄されないために スカッと〇〇を目指した本ではありません! 言わなくていい本音はいっぱいある 本音か、関係性か 大切なのはどっち? 長い人生、本音だって変わっていく 2章 [シチュエーション別」エレガントな毒の吐き方を京都人に聞きました 言いにくいことをエレガントに伝える具体的な方法 1 無理な依頼をお断りしたいとき 無理な依頼を断るには? 来てほしくないと伝えるには? 相手のアイデアを却下するには? 「お断り」の類似例 2 迷惑をかけられて困っているとき 長居する訪問客を帰すには? マウンティングされて困ったときは? ハラスメントを受けたときは? 部屋を片づけてほしいときは? 「迷惑の指摘」の類似例 3 不快だと思っていることを伝えたいとき 「汗臭い」と指摘するには? いらないものを断るには? 行儀の悪い子どもへの対応は? 場違いに派手なファッションとメイクを指摘するには? 仕事ができない相手への接し方は? 4 相手の間途いを指摘したいとき 名前を間違えて呼ばれたときは? 「間違いの指摘」の類似例 日常的なシーンで使われる基本パターン3選 3章 「困った」「イヤだ」を賢く伝える 7+3のレッスン 仕事で、日常で⋯⋯賢くNOを伝えるには? レッスン①「褒めている」ように見せかける レッスン②「(遠回しな)質問」で、相手自身に答えを出させる レッスン③ 自分を下げる「枕詞」を入れて、断る レッスン④ オウム返し質問で受け流す レッスン⑤ 証拠のない第三者を引っ張り出す レッスン⑥ 知っておくと便利な4つのキラーフレーズ レッスン⑦ 褒められて居心地が悪いときは「受け入れて、流す」 レッスン上級①「笑い」に持ち込む レッスン上級②「依存」「下心」「利用してくる人」を撃退するには レッスン上級③ 相手のイケズを正しく読み取る 4章 科学の目で見る京都戦略 コミュニケーションに「絶対ルール」はない 東京式コミュニケーションの功罪 論破の快感か、互恵関係のメリットか 論破が最悪の結果を招くとき 京都式と江戸式の違いはどこからくるのか? 京都のイケズ vs. 火事と喧嘩は江戸の華 なぜ京都は「よその人」に敏感なのか? 世界におけるアメリカ、日本における東京 「伝えきらない」ことが生み出す新たな「いい関係」 イケズは外国人に通用するのか 「理想のコミュニケーション」とは何か イケズを感じる脳、感じない脳 日本人に「空気を読む」文化が存在するわけ ちょっと不安症のほうがうまくいく? プロスペクト理論ー勝ち組はより慎重に、負け組は一発逆転を狙う 成績優秀者の「テスト、できなかったよ」はだから信じられない 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を求める空気感 「この分野は素人なのですが」の一言が生み出す緊張感 コミュニケーションを怖がりすぎなくていい 社交辞令と本音をどう見分けるか? 「イケズ」は思いやりの一つの形 5章 ブラックマヨネーズに聞く! 京都人の驚異の言語センスと笑い ブラックマヨネーズを生んだ京都という土地 ブラックマヨネーズのすごさに中野が思うこと 京都のコミュニケーションは「じわじわ怖い」? 「自然な反応」をコミュニケーションに取り入れる 京都人の結界意識 あとがき #中野信子#評価2 プロフィール 本かつおXFacebookInstagramLINEContact「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。