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栗山ノート2 世界一への軌跡/栗山英樹

本かつお
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●なぜ気になったか

大谷選手のリアルな活躍をみれる時代に生きていられたことがすごく嬉しい。感動したWBC優勝への軌跡、栗山監督だからこそ勝ち取れた結果、その舞台裏を知りたい

●読了感想

こんなことってある?、がいくつも続き感動した2023年WBC優勝。その裏側を知ることができ感動が再び蘇った。優勝の源となった栗山さんが大事にしている言葉たちを知ることもでき満足

アマゾンレビュー

●心に響いたフレーズ

  • 私を励まし、勇気づけ、奮い立たせ、支えてくれた言葉をもう一度まとめて後世に伝えることは、侍ジャパンの監督を任された私の使命なのだろう
  • ひとつの言葉が持つ意味は、ひとつではないと感じます。一般的な解釈はもちろんありますが、その時々の心持ちによって、響き方が違ってくるものがあります
  • 相手にとって何が正しいのかを真剣に見極めて、必要なら厳しく接する。表面的な愛情は相手のためにならず、非情に徹することが相手の成長につながる
  • 新しいことをひとつ始めるよりは、余計なことをひとつやめるほうがいい
  • 起こったことをいいものにするのも、悪いものにするのも、その人次第
  • 人の宝とすべきものは物ではなく、物を超えた心であり、思いやりの心である
  • 自分より年下の人々に対しても、こちらから先にあいさつができたとしたら、その人はもうその一事をもってしても、他日「人に長たるの器」
  • 先入観は軽く、予備知識は重く。 (中略)、(予備知識の)使い方も大事
  • 選手選考でもっとも難しかったのは、やはりメジャーリーグでプレーする日本人選手の召集です。(中略)、ダルビッシュ有や翔平らと会うことになっていましたが、不安しかありませんでした。不安だらけでした
  • (ファイターズ監督当時、16年の開幕投手を翔平にしたことを)メディアの皆さんには、2月22日の午後2時22分22秒に発表しました。「二刀流」を貫く翔平へのエールだったのです
  • できるか、できないかではなく、とにかくやってみる
  • 選手たちにこう伝えました。「このチームはジャパンだけど、チームがジャパンではなく、あなた自身がジャパンなのです。そう思って戦ってください」
  • すべきときにすべき事をする。(中略)、迷うなら進め
  • (ダルビッシュ有の) 報われることを一切求めず、無私の心でチームに尽くしてくれたその姿は、人間としての魅力に溢れていました
  • 比較を絶つ。(中略)、一切の悩みは比較から生じている
  • 不自由を常と思えば不足なし
  • いますぐ有益ではないけれど、のちに役立つという経験があります
  • 悲観論者は、チャンスの中に困難を見る。楽天家は、困難の中にチャンスを見出す
  • ささやかな出会いが人生に影響を及ぼすことがある
  • (孔子が人生で貫いたのは「忠恕」)、「忠」とは自分の良心に真っ直ぐに従うこと。「恕」は他人の身の上を思いやり、自分のことのように親身になって思いやること
  • (チームジャパンの選手たちは)、移動中はスーツを着用しますが、翔平は私服でした。ヌートバーのスーツが間に合っていなかったので、(中略)、「たっちゃん」をチームに溶け込ませるための、彼なりの心配りでした
  • 時を見落とすな。時を見逃すな
  • 人は自分がなすべきことを基準として、自分の人生の道筋を決めていくのが大事で、成功や失敗は問題外である。結果に対して失望したり、悲観したりしなくていい
  • 想定外を想定する。(中略)、「まさか」とならないために、あらかじめ想像力を働かせる
  • (ダルビッシュが2点を許した)このホームランは、(若い投手陣の緊張感を振り払ってくれたら)プラスに働くかもしれない。いや、私自身がプラスに持っていくのだと素早く心にメモしました。
  • (骨折しても痛みは無いので大丈夫と)源田が自分の思いをぶつけてきます。荒々しい口調ではないのですが、真っ直ぐな言葉はものすごい熱量を持っていて、後ずさりしてしまうような迫力があります
  • 他人の中傷に対してどこまで弁解せずにおられるか、これを試してみるのも人間修練の一方法
  • 失敗はその多くが得意の日に兆しを表す。(中略)、大切なのは「小事」です。小事をおろそかにすると、兆しが見えてきません
  • 村上には「(4番から5番に)打順を下げるよ」と伝えました。悔しかったに違いありません。(中略)、それでも、すぐに「分りました」と答えてくれ、「監督、今日も勝ちましょう」と元気に続けてくれました
  • (準々決勝のスタメン発表)「8番ショート、源田」、ロッカールームの空気が、一瞬にして変わりました。源田の「はい!」という声が響きわたると、まるで日差しが差し込んだように室内が明るくなった気がしました
  • 幸福は最初は不幸の形をして現れる。(中略)、私は弱い人間です。弱いことを自覚して、「この不幸は幸福が形を変えているのだぞ」と自分を諭します
  • (アメリカとの決勝に臨む前、村上には)、「このまま5番でいきます。ムネに宿題を残します」と伝えました。(中略)、残された宿題は、成長への糧になる
  • (決勝の入場セレモニーで)「翔平、写真でも撮るか!」(中略)、私から翔平に写真を撮ろうと言ったのは、(12年監督をした中で)これが初めてでした。一番自然に振る舞った瞬間だったかもしれません
  • (決勝の8回表に登板したダルビッシュは)、チームファーストを貫いたために自分の状態を上げきれなくても、 (中略)、重圧のかかる場面をどうにかして切り抜ける。1点は失いましたが、ダルのすごみを感じました。
  • (9回表、)私は球審に告げました。「ピッチャー、大谷」。(中略)、与えられた条件で戦い抜くのが翔平です。私は心配していません。(中略)、この場面にふさわしいのは、「心配」ではなく「信頼」です
  • 9回裏の攻撃を考えるのではなく、9回表で終わらせる。(中略)、中途半端で自分勝手な良いところ取りを画策すると、結果には結びつきません。私なりの経験知のひとつです。
  • 5年前、世界一の選手になれると信じて、翔平をメジャーリーグに送り出しました。彼が紡いできた物語のクライマックスのひとつとして、(トラウトとWBCで相まみえる)この場面が用意された気がしてなりませんでした

●目次

  • はじめに
     
  • 第1章 謹んで
    • 命を知らざれば、以て君子為ることなし
    • 深沈厚重なるは、是れ第一等の資質なり。磊落豪雄なるは、是れ第二等の資質なり。聡明才弁なるは、是れ第三等の資質なり
    • 自處超然 処人藹然 有事斬然 無事澄然 得意澹然 失意泰然
    • 小善は大悪に似たり。大善は非情に似たり
    • 一利を興すは一害を除くに如かず
    • 小さなことは分別せよ。大きなことには驚くな
    • 窮すれば、すなわち変ず。変ずれば、すなわち通ず
    • 刮目相待
    • 第一義
    • あいさつは自分から
    • 先入観は軽く、予備知識は重く
    • 自分を犠牲にしても他の人を助ける心が利他の心
    • 武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり
       
  • 第2章 自修す
    • 人は変われる
    • タイミングで受け止めかたは変わる
    • 人生意気に感ず、功名誰かまた論ぜん
    • 書は言を尽くさず、言は意を尽くさず
    • 人はこの世に生まれ落ちた瞬間、全員が天から封書をもらって生まれてくる
    • 一国は一人を以て興り、一人を以て亡ぶ
    • ひとえに親鸞ひとりがためなりけり
    • 師は出ずるに律を以てす。否らざれば臧きも凶なり
    • 吉凶の分かれ目は悔吝にあり
    • 報われてはいけない
    • 比較を絶つ
    • 不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば困窮したるときを思ひ出すべし
       
  • 第3章 一道に
    • 足るを知る者は富み、強めて行なう者は志有り
    • 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
    • 算多きは勝ち、算少なきは勝たず
    • 益はなくとも意味はある
    • 本当に悔しいときは歯ぎしりばかりで、涙なんか出るものではない。こんな瞬間を経てきた人だけが本当の男である
    • 冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、躁がず、競わず、随わず、以て事を成すべし
    • タフでなければ生きていけない。優しくなければ、生きていく資格がない
    • 人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに
    • 受け入れる側が心を開く
    • 忠恕
    • 夷険一節
       
  • 第4章 WBC1次ラウンド 貫く
    • 人はただひとりでは何もできない存在だ
    • 成功と失敗は、心を込めて努力した人の身体に残るカスのようなもの
    • 順境は人を殺し、逆境は人を活かす。そして耐えるたびに少しずつ人生が見えてくる
    • 想定外を想定する
    • 根本眼目
    • 怒りを遷さず、避ちを弐たびせず
    • 時用
    • 心焉に在らざれば、視れども見えず
    • ふたり心を同じくすれば、その利きこと金を断つ
    • 他人の中傷に対してどこまで弁解せずにおられるか、これを試してみるのも人間修練の一方法だ
    • 無用の用
    • 言行は君子の枢機なり
    • 姿を見せろ!
       
  • 第5章 浩然と
    • 人に長たる者としては単に自分ひとりが誠実というだけでなく、多くの人々を容れるだけの度量の広さとともに、さらに、一旦、事が起こった場合には、身をもって部下をかばうだけの一片の俠気ともいうべきものがなくてはならぬと思うわけです
    • できる人はやってはいけない
    • 至るを知りてこれに至る、ともに幾を言うべきなり
    • 西南には朋を得、東北には朋を喪うに利ろし
    • 修辞
    • 速やかならんと欲すること毌かれ。小利を見ること毌かれ。速やかならんと欲すれば則ち達せず。小利を見れば則ち大事ならず
    • 諸君、狂いたまえ
    • 幸福は最初は不幸の形をして現れる
    • 時中
       
  • 第6章 マイアミラウンド 磨いて
    • 弱さと悪と愚かさとは、互いに関連している
    • 誠は天の道なり。これを誠にするは人の道なり
    • 現実になる姿が、カラーで見えているか
    • 剛毅木訥、仁に近し
    • 天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
    • 幾は動の微にして、吉凶の先ず見るるものなり
    • 忍の極致
    • 未済は亨る
    • 人生の答え合わせ
    • 宿題を残す
    • 慎独
    • 確乎不抜の志
    • さあ、いこう!
    • 子、四を絶つ。意なく、必なく。固なく、我なし
    • 敢為
    • 納得する形で勝つ
    • 尽己
    • 無私道
       
  • おわりに

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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