本かつお
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●なぜ気になったか
先日TVで詩人である著者を知った。どんな言葉を紡ぎ出す人なのかなと興味はわいたが、能動的に読むまでは至らなかった。この出合い、読むべき人と感じたので読みたい
●読了感想
文章には、簡単にわかるもの、ちょっと考えることが必要なもの、全然わからないもの、の3つに大別できるが真ん中が一番好きで本書はそれ。表現から色々考えて楽しめる塩梅が最高だった
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 今を燃やし尽くそうなんて思うことはなかった。(中略)、自分を焼き尽くすような努力もしていなかった
- 普通の事、という言葉がなんの慰めになるんだろう
- 私の瞳には、世界は「認められた人」だけで構成されているように映っていた。私なんていなくても大丈夫な世界
- 選ぶ、という猶予を与えているからこそ、余計に不自由になっていく
- 空気を読ませるな、人を屈服させて喜ぶなんて時代はもうおしまいにしましょう
- 変と言われるのは怖い、でも普通になりたいかというとそれもどうもぴんとこない
- わたしがわたしであることを、わたし一人は必ず、肯定することができるという、そのことを幸福に思います
- 他人が伝えるだけで成立するような、そんな絶対的な「答え」は、この世に一つもないと思う
- 若さに価値など本当はないのかもしれないが、若い人間がなにかを「ダサい」と言えばそれは本当にダサいものになるのだ
- 10代でデビューや、10代で起業だ、とかのニュース。(中略)、大人たちは若き才能を褒め称える。主に「若さ」を軸にして
- 私は怒りを隠しはじめた。正しさの陰に。抑えきれない苛立ちを、怒りでは正論の形で吐き出すようになっていた
- 正しさを探して頭を働かせば、自分の怒りが感情的なものではなく、理にかなったものなのだと錯覚もした
- 目標を持てとか、持つなとかみんなうるさい。未来が来るとか未来をどうするかとかそういう話がもうしんどい、今をどこまでも心地よくする方法を教えてくれ
- 価値のない徹夜をした時に見る朝の光や、通学路を走る子供たちの背中とか、そういうのをみて、生きるって大変、とかではない言葉が欲しい
- 「話すのが苦手だ」なんて誤魔化して暮らしていた。(中略)、さみしさをそんなに感じずにいられる自分を、「強い」とすら誤解していた
- いいなあって思っていたいな。叶わなくても、ずっと思っていたい
- 人には向き不向きがあり、平均的にこなすことができないものは誰にだってあるはずで、「生きる」上で問題がないなら、そんな欠点、気にしなくていいはずだ
- 他人を愛することが、まず素晴らしいと言われているのがおかしい
- 恋愛はなんにも悪いことではなくて、しかしなんにもいいことでもなくて、神聖でもなくてロマンチックでもなくて、ただ二人の人間がこの人を大事にしようと決めただけの話
- すぐ、人のことを「いい人だなあ」と思ってしまう。(中略)、これはぼくの近くにいる大人がみな非常に生真面目で、それで損をしているような、嘘を嫌う人だったというのもある
- 誠実な人に出会えたとき(その人たちの私生活は知らないが)、きゅうっと嬉しくなる
- 好きというのは奇妙な感情だ、なぜ好きなのか説明しきれるならそれは「好き」ではないのではないかとさえ思う
- 「言い方を少し変えるだけでこんなに印象がよくなるんですよ」なんて聞くと「言い方を少し変えるだけで、相手への印象コロコロ変えるそいつがおかしいのでは」と思ってしまう
- 人が「親しく」なることが、決して「心をさらけ出す」こととイコールではないということは、確かであろう
- よくしらん幸せが急にインターホンを押してくるよりは、怖いことや不幸が起きないほうがいい、不運に見舞われなければいい
- 人と向き合ったなら、好きか嫌いか選びたいのだ。私は、そして好きな人たちとだけ接していたいのだ。(中略)、私の言葉や行動を好意的に解釈してくれる人が欲しいのです
- 「私はこれを信じる」と主張することがそれだけで暴力に変容することもあるだろう
- ダブルスタンダードって言葉がある、私はこの言葉があまり好きではない、人間は変わりゆくものだと思うし、(中略)、それこそが本当は「生きる」ってことだというだけだ
●目次
- はじめに
- 天才だと思っていた
- わたしのセンスを試さないでください。
- 謙虚殺人事件
- 本気の「好き」じゃないんじゃない?
- 「変とか言われて喜ぶやつは凡庸だ」
- 慰めたいとは思うけど。
- 生きるには、若すぎる。
- 私はだれも救えない。
- 成人の日に。
- 正しさを気取っている。
- 何もしたくないわけではないし、できないわけでもないが、しない日。
- この良さが、わからないなんてかわいそう。
- 話すのが苦手って、本当?
- 自分大好きちゃん
- 憧れは屈辱。
- 心をあなたに開かない。
- 拝啓、私は音痴です。
- 恋愛って気持ちわるわる症候群
- 「悪い人なんていないと思う」
- 音楽に救われたことがない。
- どうか話しかけないでください。
- 全てはにわかから始まる。
- 私は、バカじゃない。
- どうか味方ができませんように。
- 優しさを諦めている。
- 結論至上主義破壊協奏曲
- 言語化中毒
- あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。