2023.08.25 2024.10.01 読了 60代からの資産「使い切り」法/野尻哲史 本かつお 記事内に商品プロモーションを含みます ●なぜ気になったか 老後資産貯め方本は巷に溢れているけど、「使い切り」視点本をは初めてみる。資産に余裕はないけど、貯めておくだけも悲しいので、読んで使うことも考えてみたい ●読了感想 この先やろうとぼんやり考えていたことが書かれていて、間違っていないと確信が持てた。新たに気づかされたことも含めて参考にし、自分の具体的な「資産活用案」づくりをするとしよう アマゾンレビュー ●心に響いたフレーズ (60代になり)、これから自分に大切なことは「資産を増やす」のではなく、「より満足度の高い生活を送るために、今ある資産を有効に使っていく「」ということ 退職後のお金との向き合い方、または「資産活用」に対するわれわれの理解不足というのは、「資産の取り崩しの多様な方法とその有効活用で、今ある資産の寿命を延命できる」ことを知らない点 (60歳を過ぎた今は)、「ほんの少し社会のためになる仕事を、できるだけ自分が楽しんでやる」ことをモットーにしています (高齢者のみなさん)、もっと使いながら資産寿命を延ばそうぜ 2000万円くらいまでは、保有する資産が増えると満足度の高まり方が大きく、そこから先になると資産額が増えてもそれほど満足度が高まらない 退職後のお金との向き合い方を考えるためには、まず「資産形成」と「資産活用」という2つの言葉を理解しておくべき 「資産活用」とは、創り上げてきた資産をいかにうまく使って生活を豊かにし、その資産の寿命を伸ばしていくかということ、またはそのプロセス 「資産形成」や「資産活用」は、達成すべき目標。(中略)、これに対して、「資産運用」はそれを達成するための手段の1つ 「資産活用」とは、(中略)、保有する資産を有効に使いながらも、どうすればその資産を長持ちさせるかという視点。楽しく使って「資産寿命を延ばす」ということ 資産活用の視点で退職後も働くことを考えるときに、「継続雇用でいいのか」を一度考えてほしい。(中略)、65歳まで同じ会社で働くことがプラスなのか 地方都市移住による生活費削減。地方都市は東京より、消費者物価は東京を100とすると95とか96、民営家賃は半分以下 「企業年金や確定拠出年金の受け取りを65歳から70歳までのつなぎの資金として考える」アイデアもあります 取り崩しの方法に関して、(中略)、(保有している)資産が減るほどに「引き出しの怖さ」が増す 退職者のための資産運用をわかりやすくして、普及させていく必要があります。取り崩しを前提とした資産運用です 収益率の並び方が資産残高に影響するという考え方は、「収益率配列のリスク」。思った以上に元本が毀損するリスク 収益率配列のリスクを回避する方法として「定率引き出し」。「Benbenの4%」ルール→ 4%という「持続可能な引出率」 投資の極意。「安くなったら(たくさん)買って、高くなったら(少ししか)買わない→定額積立投資→資産形成期。「高く(なったら)売って、安く(なったら)売らない」→定率引き出し→資産活用期 リーマン・ショックのときには、「資産を分散しても全部が下落したので、意味がなかった」という批判もありました。にもかかわらず、なぜこれがリスクの軽減に役に立つと言われるのでしょうか。(中略)、「分散投資」の格言は、実は「長期投資」を前提にしたもの 「定額引き出し」のアンチ・テーゼとして「定率引き出し」を提唱してきましたが、これが最良の方法というわけではありません。より実践的なアイデア→「予定率引き出し」 定額引き出し、定率引き出し、定口引き出し、余命をうまく使った予定率引き出しなどをうまく組み合わせることが重要で、それが「資産活用」の重要なポイントになる 資産を2つに分けて、1つは長生きリスクを回避するために運用を続けながら、生活のために取り崩していく「使いながら運用」する資産として、もう一つは万が一その資産が枯渇した場合に生活費を補填するバッファー資産として用意しておく (高齢)前半に運用資産の引き出しを行わないようにするという対策もあり得ます。そのために使いながら運用する前半にはできるだけ、バッファー資産から引き出していくというのも合意的なアイデア ETFとは、一般の投資信託のように小口の資金を集めて運用する投資信託ですが、証券取引所に上場していて、株価指数などに連動するように運用されています。 (中略)、バッファー資金を預金とETFに分けるといったアイデアも検討に値します (日本のNISAにはないが)英国のISAは、 夫が亡くなった際にはその口座の保有残高に相当する金額を、残された妻の翌年の拠出額に一時的に上乗せ(できる) 65歳の時点で約2800万円を保有している人が、80歳まで「3%で運用して、4%で引き出し」、80歳以降の20年間は残った2400万円を均等に引き出すという2つのステージのアプローチを使って「使いながら運用する」を実践すると、その35年間における引出総額は約4000万円になる 山を登るのが「資産形成」なら、山を下るのが「資産活用」。管理するだけではなくて、積極的にその資産を消費に活用しようとするメッセージを「資産活用」という言葉に込めている 厳密に「資産活用」を定義すると、退職後の生活の満足度を引き上げるために、①生活費をコントロールすること、②長く働くこと、③年金を効率的に受け取ること、そしてそれらを前提にして、④運用しながら資産を効率的に引き出すこと、までを含む包括的なアイデア ●目次 はじめに 序章 資産形成を終えた人に 答えにくかった2つの質問 退職時点でリーマン・ショックが起きたときの対処法 今ある資産の寿命を延ばす「資産活用」の重要性 もっと使いながら資産寿命を延ばそうぜ 第1章 「資産活用」世代の実態 1 ただものではない今どきの60代 都市生活者の60代は平均553万円もの世帯収入 保有資産は「2001万-5000万円」と「500万円以下」がボリュームゾーン 2 60代は生活に満足しているか? 生活満足度はまずまずだが、資産水準の満足度は低い 資産水準の満足度を上げるだけで生活満足度が変わる 3 「老後2000万円問題」の影響 「2000万円で足りない」と考える人の保有資産は3600万円 「老後2000万円問題」の後遺症 若年層が資産形成に前向きになったきっかけ 第2章 リタイアメント・インカムとは? 1 「資産活用」ってなんだ? 登山で考える生涯のお金との向き合い方 「資産形成」と「資産運用」は同じものではない 「資産活用」とは何をすること? 3つの収入のバランスを考える 3つのうち、最も柔軟性がある「資産収入」をどう増やすか 2 「勤労収入」をもう一度考える 「定年≠退職」の時代 お金の面から考えると「勤労収入<生活費」=退職 「退職」したら積立投資は卒業、だが資産運用は継続 退職で変わる向き合う相手 「本当に継続雇用でいいのか」を考える Column1 私の会社設立物語 3 地方都市移住による生活費削減 「手持ちの資産で何とか足りる」と考える人が7割弱 生活費、なかでも食費の削減で対応する人が多い 生活費は落としても生活水準は落とさない方法 Column2 地方都市移住──松山に移住して家賃は4分の1 4 年金収入──退職してからでは増やす方法は限られる 退職世代には「繰り下げ受給」しか年金を増やす方法はない 公的年金をどう受け取るかが重要 年金受給開始は「65歳から」と「70歳から」どちらがラクか 年金の税金も考慮する必要がある 5 「資産収入」を考える 資産収入は柔軟性が高いだけに難しい──下山ルート選択の重要性 団塊の世代までは預金だけで退職後の生活が成り立った 100歳まで生きると、資産2000万円では「年57万円」しか使えない 「退職金で投資デビュー」はなぜキケンなのか 預金の取り崩しから、有価証券資産を取り崩す時代へ 「目的」と「手段」ではリスクの概念が違う Column3 金融リテラシーと金融詐欺被害 第3章 「毎月10万円の引き出し」はなぜキケンなのか 1 人生100年時代、お金の面で考えるべきこと 資産が減るほどに「引き出しの怖さ」が増す 退職後の資産運用を、現役時代と同じに考えてはいけない 2 定額引き出しに潜む「収益率配列のリスク」 「毎年、決まった金額を引き出したい」に潜むリスク 思った以上に元本が毀損するリスク 引出額を残高に対する定率で考える 定率引き出しだと引出額が変動する 3 身近にある「収益率配列のリスク」 毎月分配型投資信託は現役世代には不向き 資産活用層には向いているが収益率配列のリスクを内包 FIREにも収益率配列のリスク 「1億円で年利3%運用なら年収300万円の生活ができる」の罠 住宅ローンと資産運用の両建てに見る「収益率配列のリスク」 4 持続可能な引出率の幻想 4%という「持続可能な引出率」 「持続可能な引出率」にも収益率配列のリスク 「引き出しても大丈夫な金額を知りたい」という思い 第4章 引き出しは「率」で考える 1 今さら聞けない投資の極意 「安く買って高く売る」をどうすれば実現できるか 定率引き出しは投資の出口戦略 Column4長期投資・分散投資──卵を3つの籠に盛っただけではダメ! 2 使いながら運用する時代を考える アンチ・テーゼとしての「定率引き出し」 運用と引き出しのバランスを考える 「資産活用収益率」という考え方 退職後の前半は「使いながら運用する時代」 「使うだけの時代」に向けて計画通りに資産を残す 3 定率引き出しから「予定率引き出し」へ 定率引き出しに対する2つの指摘 引出率を徐々に引き上げる「予定率引き出し」 「残りの引出年数」の逆数を利用して引出率を決める 「予定率引き出し」をイメージしてみる 「定口引き出し」のメリットと課題 デス・ファンドと呼ばれる懸念 投資信託の引き出しのシステム──定率は今のところ2社だけ 引き出し方法の組み合わせ 4 逆算の資産準備 100歳から遡る「逆算の資産準備」の考え方 前半は「率」による引き出し、後半は「額」による引き出し 800万円の老後資金で4000万円分引き出す 投資信託の分配金を活用する方法も インフレになったら引出額はどうするか 第5章 保有する資産全体のなかで取り崩しを考える 1 有価証券と預金の2資産で考える 退職後の資産、どれくらいを運用するか 退職が近づいてもリスク資産の比率を下げる必要はない 2 「バッファー資産」を活用する 望ましきは「長生きリスクを回避しつつ、安心した生活」 万が一の時にはバッファー資産を活用 バッファー資産が必要になる年数分で資産構成比を考える より安全なバッファー資産としての「終身年金」 終身年金があっても資産ゼロはちょっと受け入れ難い リバース・モーゲージもバッファー資産に 住宅は退職者の資産といえるのか? 住宅の買い替えで差益を得る「ホームエクイティ」 前半であえてバッファー資産を取り崩す方法も 退職時に一気にリスク性資産の比率が急落 ETFをバッファー資産にするアイデア Column5 日銀ETFを個人に簿価で譲渡してはどうか 第6章 資産活用層は新NISAをどう使う? 1 新NISAに期待するのは資産形成の拡大 「新NISA」の6つの特徴とは 小さな樽を貯蔵するのではなく、大きな樽で貯め込むスタイルに 2 資産活用層にとってのNISA拡充の意味 「生涯上限額1800万円」は英国にはない Columr6 ISAミリオネア──英国にあって日本にないもの 「スイッチングができない」という新NISAの弱点 本場・英国では、夫の死後に妻がISA口座の残高分を上乗せ 3 私は新NISAをどう使うか 販売手数料がかかるなら金融機関を変える 一般NISA分は成長投資枠へ、つみたてNISA枠は新規で 第7章 生活スタイルと資産活用 1 生活スタイルと資産の取り崩し 「前半」を厚くするか、「後半」を重視するか 「65-80歲」「81-100歳」に分けて考える 2 資産収入の位置付けを考える 資産収入を「所与」とするか、「対策の柱」とするか 「生活スタイル」と「資産収入に対する心持ち」から見えてくる指針 3 4つの資産活用のスタイル分類 資産活用に対する考え方の変化はゾーンの移動で示す 退職世代こそアドバイスが必要 英国では、政府が無償で退職者への投資ガイダンスを提供する Column7 超高齢社会はアドバイザー必須の時代に 第8章 資産活用層の社会貢献 1 日本経済を支える一翼に 「会社」ではなく「社会」に向き合う 「できるだけ使わない」から「使いながら運用する」への脱却 手持ち資産を「4割増し」の資産力にするには 資産の0.25%を消費に回すだけで日本経済に大きく貢献する 60代の資産力を地方でこそ発揮してほしい 2 個人金融資産の有価証券比率を高める 団塊世代は「投資から貯蓄へ」を進めてしまった 60歳以上は日本の金融資産総額の3分の2を保有 現金化してしまいがちな3つのタイミング 最重要なのは「資産活用」というアイデアの普及 おわりに 60代からの資産「使い切り」法/野尻哲史 created by Rinker 日経BP Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング #野尻哲史#評価3 プロフィール 本かつおXFacebookInstagramLINEContact「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。