2023.09.15 2024.10.01 読了 校閲記者も迷う日本語表現/毎日新聞校閲センター 本かつお 記事内に商品プロモーションを含みます ●なぜ気になったか これでいいのだろうか?、とモヤモヤしながら使っていた、『要りますか?に「大丈夫です」は答えになっているか』が目次にあったのでこれはぜひ読みたい ●読了感想 迷いがちな表現が多々紹介されており、自分の捉え方が少数派で認識を新たにしたものもあった。要りますか?に「大丈夫です」は「確実な意思疎通」には不向きとされており納得 アマゾンレビュー ●心に響いたフレーズ 強い思い込みについて(「固定観念」でなく)「固定概念」と言うことをおかしいと感じるか感じないかは、ほぼ半々。個別の「観念」に対して、一般性を持つのが「概念」 要りますか?に「大丈夫です」は、「確実な意思疎通」には不向きな用法 「原爆記念日」の呼び方がしっくりくるのは6.3%、「原爆の日」は72.0%。 そもそも「記念」にも「周年」にも(昔は)祝うニュアンスはありませんでした (「太平洋戦争」でなく)、 アジアを前に出す「アジア太平洋戦争」という用語のほうが、あの戦争を理解するのに適切かもしれません 近年、くだけた言い方で「すごくきれい」の代わりに「すごいきれい」などと言う場合があるが、標準的でないとされる 質問:「ほぼ完成」と「ほぼほぼ完成」。完成に近いのはどちら? 回答: ほぼ完成→ 40.5%、ほぼほぼ完成→ 33.5% 「真逆」が「定着した」と考える人は75.7%だが、「使う」人は55.7% 「ひとごと」に対して「自分ごと」という言葉。「使わない。おかしな言い方だと思う」人は70.2%、 基本的に使わないほうが無難 夫ないし妻の実家のことを、一般名称として「義実家」と呼ぶのを「おかしい」とする人は54.0%、「問題ない」「許容範囲」と言う人は46.0% (「動詞+化」という普通の語形でない)「見える化」を「定着している」と考える人は78.8%だが、「使い方が気になる」人は62.3%。必ずしも好感を持たれる言葉ではない 「ラグい」の 意味がわかる人は33.1%、使う人は18.0%。「時間のズレがある」という意味 「違和感を感じる」と言う表現に違和感がある人は83.5%。基本的に避けたほうがよさそう 「犯罪を犯す」という書き方は、「歌を歌う」と同じで問題ない、とする人は45.5%。思ったよりも容認派が多い 「過半数を超える」は重複表現であるので、「半数を超える」「過半数に達する」とした方がよいと考える人は86.2% 「高い注目を集める」の「高い注目」に違和感がある人は79.7%。「注目」のような動作性を示す語に「高低」は結びつきにくいとは言える 質問:車のエンジンをブンブンと「ふかす」。漢字で書くと?、回答:吹かす→ 26.4%、噴かす→ 40.3%、蒸かす→ 8.5%、仮名書きがよい→ 24.7% 「かたい」 →【堅い】中身が詰まっていて強い、【固い】結びつきが強い、【硬い】外力に強い。ほどよい場合は「固」、かた過ぎには「硬」 「おざなり」と「なおざり」の違い:「おざなり」→誠意のない、その場かぎりの間に合わせ。「なおざり」→物事を軽く見て、いい加減にしておくこと 「食料」と「食糧」の違い:「食料」→食べ物全体。「食糧」→穀類を中心とした主食物 「不用」と「不要」、 迷う場合は「不要」を使う 質問:「3000人台を突破」は何人になったということ?、回答: 3000人越え→ 34.0% 3001〜3999人→ 19.9%、4000人以上→ 27.7%、決められない18.4% 質問:AはBに比べ「25倍高い」をどう感じるか?、回答:違和感がある。「25倍だ」などとしたい→68.9%、違和感はない→31.1% 質問:感染者数が「3日ぶりに」100人を上回った、こうした「ぶり」の使い方、どうですか?、回答:違和感がある→51.0%、違和感はない→49.0%。「ぶり」は「期待されること」に使われやすい 質問:「一両日」はいつを指すか?、回答:今日か明日→59.8%、明日かあさって→22.1%、その他→18.1% 質問: コロナ後の授業のあり方を考える、この「コロナ後」は、どんな意味にとれますか?、回答:感染拡大が始まった後→30.1%、感染拡大が収束した後→69.9% 毎日新聞では、スポーツ記事に載る選手の名前については、基本的に敬称(「さん」など)や呼称(「選手」など)をつけないことにしています 「DX化」「IT技術」は気づきにくいが重言。「デジタルトランスフォーメーション化」「インフォメーションテクノロジー技術」と書けば浮き彫りに 「従来から」は重言で、「従来」だけで十分。「かねてから」も「かねて」で十分だが、用例などで「かねてから」は用例などで許容している辞書が比較的多くなっている ●目次 はじめに 第1章 この言葉、使っていますか? 「おかしい」と感じつつも使われる「いつぶり」 「並々ならない」はおすすめできず ネガティブには使いにくい「群を抜く」 「前倒す」と言いますか? 「固定概念」は使えるか 要りますか?に「大丈夫です」は答えになっているか 震災を「迎えた」―感情を含む表現と新聞校閲 「原爆の日」「原爆記念日」「原爆忌」⋯8月6日の呼び方は なお定まらない「あの戦争」の呼び方 第2章 新たな言葉が定着していく 書き言葉ではやはり「すごくうれしい」 ついに辞書にも採録「斜め上」 「こだわり」を認める時代 「ほぼ」と「ほぼほぼ」どう違う? 新3文字熟語?「熱視線」は定着したか 「真逆」使いますか? 使う?「ひとごと」に対して「自分ごと」 定着進む「共感、感動」の「刺さる」 今後も続きそうな「義実家」問題 「見える化」は定着も、使用には要注意 「ラグい」―2割弱は「使う」と回答 第3章 どこまで直す?「馬から落馬」的な言葉 文字にすると違和感が増す「違和感を感じる」 「犯罪を犯す」―-重複は罪なりや? 「楽観視」の「視」は必要? 「過半数を超える」を直すべきか 「高い注目を集める」どこが変? 第4章 表記に迷う〜あなたならどう書きますか? 刺し身はやっぱり「お造り」か 仕切りは「パーテーション」と言う人が多数派 表記の定まらない「sustainable」 「ほかならない」は仮名書きが最多 「すてき」どう書く 「令和」の「令」どう書く? 「イチオシ」は漢字なら「推し」が多数派 浸透しつつある比喩的な「立て付け」 第5章 意味で書き分けてみましょう 政権の「せいとうせい」は「正統性」としたいが⋯ エンジンは「吹かす」?「噴かす」?「蒸かす」? 「光景」と「風景」災害の様子に合うのは? 「柔らかい肉」が「軟らかい肉」より圧倒的に人気 ほどよい「かたさ」には「固さ」がおすすめ おろそかにしたくない「おざなり」と「なおざり」の差 「食料危機」か「食糧危機」か 「不用」と「不要」の微妙な関係 第6章 どう数えますか? 蛇口の数え方 受け止め方が分かれる「3000人台を突破」 「〇倍高い」には違和感あり 好ましくないことが「〇日ぶり」⋯違和感ある? 「一両日」は今日から?明日から? 「初老」は何歳? 「妙齢」の年ごろは? 「弱冠〇歳」ってどれくらい? 第7章 コロナ下の言葉 使用を避けたい「自粛させる」 ウイルス相手には「戦い」より「闘い」が好まれる 「人流」の語、やはり抑制すべきでは 新しい言い回し「有観客」 浸透進む新しい「リアル」 違和感強い「病床があふれる」 「買い占め」とも「買いだめ」とも言い切れず 「コロナ後」は「収束後」が大勢 おわりに コラム 「前日に控え」 アイコンの性別 「照れ笑う」は”強引な動詞化”書き言葉では「照れ笑いする」に スポーツ選手の名前 敬称は必要? 「まだ未定」 「コンビ2人」 重言いろいろ「デジタルトランスフォーメーション化」 「従来から」 「票読み予想」 「初デビュー」 「生ライブ」 「ほんのわずかに微調整」 子供、子ども、こども 「〜が欲しい」と「〜してほしい」 「してほしい」だけじゃない 漢字で書けるのに仮名にする言葉 「づくし」と「ずくめ」の違い 「進入」と「侵入」 知られざる「ローカルルール」の世界 実はよく見る「〇日〇日」 「副作用」と「副反応」 校閲記者も迷う日本語表現/毎日新聞校閲センター created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング #評価3#毎日新聞校閲センター プロフィール 本かつおXFacebookInstagramLINEContact「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。