本かつお
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●なぜ気になったか
余命宣告された人に対しては、どう接したらいいか悩むはず。「福」という保護犬がどんなことをもたらしてくれたのか知るために読みたい
●読了感想
飼ったのが普通の犬でなかったこと、保護犬の中でももらい手がみつからなかった「福」だったこと、それが生前の薫さん(妻)を癒やし、家族を救ったことに感動
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- がんの専門医というのはそういう訓練がなされているのだろうか。(中略)、本当に表情を動かさない。(中略)、できることならモニターを睨んだままではなく、薫(妻)の方を向いて、語りかけてくれたらいいのになと思った
- (抗がん剤の副作用に対しては)、この後こんな症状がやってくる、この息苦しさは2日間我慢すれば過ぎ去っていく、というようなことをあらかじめ知っていれば、精神的にも落ち着いて対処することができた
- もしかしたら殺処分になっていたかもしれない保護犬がこんなにも人の心を癒し、豊かにしてくれることを、ひとりでも多くの人に知ってもらいたい
- 過去を悔やんでもしょうがない。そして未来を案じても今の時間が無駄になるだけ。過去も未来も実際には存在しない。存在するのは、ただ「現在だけ」
- (カリスマドッグトレーナーのシーザー・ミランが言うには)、犬と正しく接する(方法は、)「触れず」「話さず」「目を見ない」大切なのはこの3つ
- 「奥様に残された時間はあまり長くないと思います。(中略)」予想以上に厳しい言葉だった。(中略)、スマホのメモに薫(妻)と一緒にやりたいこと、いや、やっておかなければいけないことを改めて整理して書いていく
- がんが再発してまもない頃は「このまま静かに、友達にも誰に知られずにひっそりと死んでいきたい」といっていた薫(妻)がいつしか「わたしはどんなに苦しくても、1分でも1秒でも長く生きていきたい」と強い意思を示し出したのは、まぎれもなく保護犬福がうちに来てからのことだった
- 道路脇に咲いている名も知らない小さな花も、こうして福とふたりして歩くまではそこに生きていることすら気づかなかった存在だ
- 薫(妻)と先生が待つ小さな部屋に入ると、またいつものように薫はにこにこと笑顔だった。(中略)、しかしそこで医師に告げられた言葉は衝撃的なものだった。「血液検査の結果が大変悪いのです。今、お亡くなりになってもおかしくないくらいの数値になっています。逆にこのように元気なのが不思議なくらいです」
- 最後の日、薫(妻)は、感謝の言葉を僕に伝えてくれた。「今まで大切にしてくれてありがとう」と。僕はそのときなんだか照れ臭くて「何言ってるんだよ」なんて返してしまって、今でもひどく後悔している。きちんとお礼を言えなかったことを
- この本で伝えたかったことのひとつは、保護犬にしろ保護猫にしろ、僕らは彼らを救っているようでその実いつも救われているということ
●目次
- はじめに
- 悪性胸水
- 抗がん治療開始
- 終わりの見えない苦しみ
- 私、もう長く生きられないでしょ
- 犬を飼うと毎日が絶対楽しくなるよ
- セラピードッグを知る
- アンズとの出会い
- アンズを我が家へ
- アンズから福へ
- 困り顔の新しい家族
- 外が怖い
- 冬空の下で根くらべ
- 深夜のお散歩
- ペッカとキップル
- 父と娘の関係
- 福の心がとけたとき
- 留守番中のいたずら
- 日常におきた変化
- 犬らしくない犬
- はじめてのキャンプ
- カリスマトレーナーとの出会い
- 犬と幸せに暮らす方法55
- セカンドオピニオン
- 残された時間でできること
- ドーナツ
- 犬は夢を見る
- 手作りおやつの日々
- 旅行へ
- 福井へ
- 8月の朝散歩
- マグロのごはんのこと
- 夏の終わり
- 緩和ケア病棟
- 季節外れの花火大会
- 成人式の前撮りに参加
- 退院そして自宅療養
- 保護犬を飼うということ
- おわりに
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。