本かつお
記事内に商品プロモーションを含みます
●なぜ気になったか
街の図書館には死ぬまでお世話になり、死ぬときに感謝するはず。この先ますます大きくなるデジタルやAIの影響、その方向性を知るために読みたい
●読了感想
思っていたより専門的で、じっくり読めたのは「新たな図書館」の章。海外では公共や学校の図書館にものづくりスペース設置が増えていることが衝撃的。日本も追従必須では
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 日本のジェンダーギャップ指数がまた下がった。(中略)、以前のわが国は百四十六ヵ国中八十位あたりだったが、二〇二三年はなんと百二十五位、過去最低だ
- 海外では、公共図書館や学校図書館などに、ファブラボ、メーカースペース、ハッカースペース、ラーニングラボなどのものづくりスペースが設置されることが増えている。(中略)、人々が集まり、実際に手を動かし、協力して何かを作り出すことができるコミュニティである
- 国内で図書館に設置されたメーカースペースは、二〇一五年に塩尻市立図書館で3Dプリンターの利用が始まり、(中略)、一九年には県立長野図書館が「信州・学び創造ラボ」を立ち上げた。(中略)、少しずつではあるが、新たな試みをする図書館にはこうした創造的な空間が広がってきている
- (新たな試みである図書館の)ファブラボやメーカースペースは、アイデアを形にする場所だが、活動の核になる考え方は、「ないなら、つくろう」と思える気持ちを育むことにある。子どもたちが学校に通わないという選択をするのであれば、図書館として何ができるかを考え、行動することは非常に重要
- 情報の洪水のなかでただただ「消費」するだけではなく、一人ひとりが自分の足元に根差した必要な情報は何かを考え、選び、「生産」や「創造」という行動までつながるようにすることも、図書館にはできると思う
●目次
- まえがき ▼永田治樹
- 序章 図書館員に今後求められる知識とスキル ▼永田治樹
- 1 図書館で働く
- 2 図書館職員の位置づけ–日米の現状
- 3 図書館員に求められるコンピテンス
- 第1部 図書館のDX
- 第1章 ウェブ技術の深化とサービスの可能性 ▼川嶋斉/牧野雄二
- 1 ウェブ技術の深化と図書館ウェブサービス 牧野雄二
- 2 図書館ウェブサービス拡充の三種の事例 牧野雄二
- 3 千葉県野田市立図書館の事例 川嶋斉
- 4 ウェブの仕組みの理解 川嶋斉
- 第2章 デジタルメディア・アーカイブ ▼牧野雄二
- 1 デジタル資料にはどのようなものがあるか–コンテンツ、メディア、ファイルフォーマット
- 2 デジタルアーカイブ活動の意義–デジタルアーカイブからデジタルプリザベーションへ
- 3 「デジタルアーカイブのための長期保存ガイドライン」で示された観点と全国の取り組み実態
- 4 筆者が注目するデジタルプリザベーションの事例
- 第3章 先駆的技術の図書館サービスへの組み込み ▼中野良一/牧野雄二
- 1 人工知能研究の歴史 中野良一
- 2 人工知能、機械学習、深層学習の関係 中野良一
- 3 機械学習について 中野良一
- 4 ディープラーニングとは 中野良一
- 5 ChatGPTの可能性 中野良一
- 6 図書館でのAIなどの先駆的技術活用の事例 牧野雄二
- 第4章 図書館員の視座と文献到達可能性 ▼宇陀則彦
- 1 文献世界の発達
- 2 図書館員の視座と図書館システム
- 3 未来の図書館システム
- 第2部 新たな図書館・情報サービスの展開
- 第5章 図書館×メーカースペース–これまでとこれからに向けて ▼渡辺ゆうか
- 1 進化する図書館
- 2 二十一世紀型スキルと図書館
- 3 学びのエコシステムをつくるために
- 4 ファブラボ鎌倉の実践事例から考えてみよう
- 5 「第三の学び場」としての図書館
- 第6章 デジタルネットワーク時代の著作権法–未来の図書館員の意識改革のために ▼村井麻衣子
- 1 背景–著作権法の課題
- 2 図書館と著作権法第三十一条
- 3 著作権法とどのように向き合うか
- 4 公衆送信サービスの将来像
- 第7章 情報リテラシー支援の取り組み–事例を中心に ▼磯部ゆき江
- 1 図書館とポスト真実
- 2 コロナ禍の情報リテラシー
- 3 公共図書館の情報リテラシー
- 第3部 地域への貢献
- 第8章 まちづくりと図書館▼大串夏身
- 1 戦後のまちづくりの始まり
- 2 住民と地方自治体のまちづくりへの取り組み
- 3 図書館がまちづくりに取り組むにあたっての考え方
- 4 図書館がまちづくりに取り組むための準備
- 5 まちづくりに貢献するサービス・事業を創造する
- 6 図書館がまちづくりに取り組む効果、地域へのインパクト
- 付 まちづくりへの取り組みに向けた研修(演習)の試み
- 第9章 学校との連携・協働 ▼中山美由紀
- 1 平成からの教育の変遷–知識詰め込み型から子ども主体へ
- 2 公共図書館と学校図書館の連携–「してあげる」から「子ども主体」へ
- 3 GIGAスクール構想の対応–一人一台タブレットの時代を迎えて
- 第10章 町と人に寄り添う図書館▼手塚美希
- 1 紫波町図書館ができるまで
- 2 紫波町図書館の立地と特徴
- 3 町の農業を応援する
- 4 鳥獣被害という課題
- 5 町の記憶を記録する「聞き書きスト養成講座」
- 6 町の「情報」や「人」のデータバンクになる
- 7 十年経過して気づいたこと–すべてはコミュニケーションから
- 8 「未来準備」ワークショップでおこなったこと
- 補章 学び直しの機会と新たな試み ▼木村瞳
- 1 図書館員の学び直しの機会
- 2 私たちの新たな試み–ワークショップ「図書館員の未来準備」
- 3 まとめと今後の展望
- あとがき ▼戸田あきら
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。