2023.11.18 2024.10.01 読了 東大教授が語り合う10の未来予測/暦本純一、他 本かつお 記事内に商品プロモーションを含みます ●なぜ気になったか 1人の未来予測で1冊よりは、10人の未来予測で1冊ならいろいろな内容が詰まっていて楽しめそう。帯の「10年後のそうなんだ」は夢が萎むけどまずは読みたい ●読了感想 教授同士の対話形式なので話が若干脱線気味になったりもあり、そんな点が楽しく読めた。しかし逆に、それが未来予測の具体的イメージをぼやかしてしまってる感じで残念だった アマゾンレビュー ●心に響いたフレーズ 録画の授業だと、学生は通常のスピード(1倍速)では聞かない。対面授業になると「すごくまどろっこしい」とか言われる 日本と中国の研究の進め方は、やはり民主主義と社会主義による違いがあります。日本のような民主主義は、まず予算を決めます。そして、じっくりと研究するので結果が出るまでが長いです。中国は共産党が決めるので、やはり予算は多いですし、結果が出るまでのスピードも早い。 イーロン・マスクは、やっていることが全部「直球」なんですね。「自動車はバッテリーで動くべきだ、だからそれをやる。以上!」なんです ブレインストーミングアイデア出しより、目的のない雑談の方がアイデアが出る 移民を多く受け入れている国は、科学技術やイノベーションの面で前進している傾向があります。(中略)、一方で、格差が広がる可能性もある 近年、デジタル化が進んでPDCAのサイクルがめちゃくちゃ加速している。(中略)、大事なのは速く動くってこと。日本の組織は階層が深すぎて、動きが遅い ペニシリンやX線など、ノーベル賞の半分以上が偶然のおかげで受賞している。(中略)、偶然に気づくことが重要。(中略)、多様性があると、偶然に気づきやすくなります 人間とAIが組み合わさると何ができるかに興味があります。能力をダウンロードできるようなものを身体に埋め込むのか、UI (ユーザインターフェース)でやるのか、方法はいろいろありますが、(中略)、最終的には人間を拡張したい 今、パソコンなどで使われている半導体は、電子が摩擦を出しながら地面を走っているような状態。光子(フォトン)を使うと、地面ではなく空中を飛んでいきます。すると、摩擦がなくて熱も出ないのですごく効率的になる 「エナジーハーベスティング(環境発電)」。熱や太陽光、あるいは空中を飛んでいる(テレビの)電波などを捕まえてシリコンのデバイスを動かそうということ。空中からエネルギーをとってくる技術 移動するための車じゃなく、住むための車。(中略)、電話が固定電話から携帯電話に変わったように、住所も固定の住所ではなくなる 「楽しい」と何がいいかというと、多くの人が興味を持つんです。(中略)、それがダイバーシティーに繋がって、さらにイノベーションが加速する。とてもいい循環が生まれます 今後はサイバー空間で経済活動が行わわれて、国家と同じようなものが生まれるでしょう。その最初のきっかけが、もしかしたらGAFAなんじゃないかと 国際通ステーションも老朽化がひどくなってきたので、作り替えが必要です。(2030年運用終了予定) 海は国が持っている海と持っていない海「公海」がある。領空も一応、高度100kmまでという基準が設けられている。すると今、民間企業や国が打ち上げている高度100km以上にある衛星の所有権はどうなるのか もはや、NASAも「スペースXよろ(しく)、全部任せるよ」みたいな感じ 地球の中で宇宙に持って行っても生きられる生物は見つかっています。外骨格の昆虫です。宇宙空間では冬眠状態みたいに動かなくなりますが、地球に戻ってくると生き返るんです 「アミロイドベータ」と「タウ」が認知症に関する有名なタンパク質。(中略)、溜まるのは神経細胞。アミロイドベータは神経細胞が外に出しているタンパク質で、タウは神経細胞の中に存在するタンパク質 がんの細胞がどこにあるかということを「PET(陽電子放出断層画像法)イメージング」などで見ることができるように、脳にゴミが溜まっている状態も画像として見ることができる 周囲に左右されないで自分の知りたいことを追求していれば、いつかそういう流れ(脚光浴びるなど)が来る アイスランドでは全国民の遺伝子を調べるという研究がなされて、アルツハイマー病を予防する遺伝子変異が見つかった 腸内環境のカギはIgA抗体。(中略)、IgA抗体は、悪い菌をやっつける抗体 「パーキンソン病は腸から始まる」という説が徐々に固まりつつあります。腸の動きを指示している「迷走神経」という神経細胞が、脳から腸までずっとつながっているんですが、腸内細菌がその迷走神経に悪さをして、腸の神経がおかしくなって、脳がおかしくなるということがわかってきています 腸内細菌は、赤ちゃんが産道を通ってくる時に、お母さんから受け継がれるんですが、IgA抗体は、母乳のなかに入ってるものだけが赤ちゃんの腸管の中に入ってきます 腸には様々な細菌が百花繚乱のお花畑(フローラ)のようにいるので、その細菌の集合体を「腸内フローラ」と言います 麻酔はなぜ効くか、科学的によくわかっていない ●目次 はじめに Part1 暦本純一×合田圭介×松尾豊 人間に能力をダウンロードする時代になる? 「内向き・陽キャ」の時代がやってくる 1000歳まで生きる人間を作ることは可能か 超長寿は、人間にとって本当にいいことか イーロン・マスクの「ヤバさ」とは? Googleも営利目的ではなく好奇心から始まった 研究者はSFがお好き? ブレストはもう古い? 「雑談」こそがクリエイティブである理由 「雑談」こそがクリエイティブである理由 「兵士」は多いが、「司令官」が足りない日本 優秀な人たちの共通点は移民? 海外からの人材受け入れを真剣に見直すべき 日本企業が世界で勝つための「t」 PDCAを考える上で、本当に大切なこと できてもいない商品の告知をする! アメリカのスピード感 ノーベル賞の半分は偶然による発見? 数学だけが、役に立ちすぎる 知の巨人たちの「最終目標」 Part1のおわりに 司会・瀧口友里奈より 知の巨人たちのQ&A Part2 「情報・通信」江崎浩×黒田忠広×川原圭博 6Gが主要インフラになる 7G、さらには8Gの世界へ! まるで魔法?空中からエネルギーをとってくる技術 スマホの充電が不要になる! 自動運転車が住所の概念を変える未来 究極の小型化がもたらすもの ひとりひとりが「俺の半導体チップ」を持つようになる 「俺のチップ」がGAFAを打ち破る日 「ホイポイカプセル」は作ることができる 「楽しい」という気持ちこそ最強である理由 メタバースではすべてが可能になる 眠っている時間も活動できると、どうなるか 10年後に生き残るのは国家か、GAFAか GAFAにすべてを任せて大丈夫? Part2のおわりに 司会・瀧口友里奈より 知の巨人たちのQ&A Part3 「宇宙」中須賀真一×戸谷友則×江崎浩 宇宙開発は民主化の時代 「地上発、宇宙行き」のエレベーター 20年経ってもまだ元気! 中須賀研の小型衛星 小型衛星が増えると、何が起こるのか 天文学者からすると衛星は「ジャマ」? 宇宙開発のルールは早い者勝ち? 宇宙資源は金より高価で売れるかも? スマホはほぼそのまま衛星に転用できる ダークマターで宇宙の謎が解ける もし解明できたら、ノーベル賞10個分の価値? 宇宙の膨張を加速させる「ダークエネルギー」 アインシュタインの凄さと、その限界とは 人が宇宙を目指すのは、◯◯のため あらゆる分野を説明可能なエントロピー 宇宙版GAFAは出てくるのか 人工冬眠で人間はどこまでもいける 人間の知能を科学的に突き詰めたら、神の領域が見えてきた 宇宙服なしで宇宙に行こう 地球に近づく小惑星を監視している機関がある 本当に小惑星が衝突したら、人類はどうなる? やっぱり宇宙、ワクワクするよね Part3のおわりに 司会・瀧口友里奈より 知の巨人たちのQ&A Part4 「病気と生命」新藏礼子×富田泰輔×合田圭介 認知症を起こすのは脳に溜まったゴミ 認知症を予防するには 免疫学の大きな転換点 脳と免疫の意外な関係 意外と知らない、健康診断の裏側 腸内環境のカギはIgA抗体 便を移植されると、性格が変わる!? 抗体を持っている人、持っていない人 コロナワクチンがあれほど早く作れた理由 母乳で育てることが大切な理由 乳酸菌って本当に効果あるの? 脳梗塞を予測する技術がある 車を運転するだけで、認知症のチェックが可能になる 「記憶とは何か」は、まだ解明されていない 麻酔はなぜ効くか、科学的によくわかっていない IgA抗体で新型コロナウイルスも克服できる? 目先の問題ばかりに研究予算が使われている日本 日本からスター研究者を生み出すには もっと科学を信用してほしい 東京大学のよさは教養学部にある Part4のおわりに 司会・瀧口友里奈より おわりに 東大教授が語り合う10の未来予測/暦本純一、他 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング #暦本純一#評価3 プロフィール 本かつおXFacebookInstagramLINEContact「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。