本かつお
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●なぜ気になったか
「おひとりさま」の印象が強い上野千鶴子さんの二拠点生活山暮らしエッセイ。山暮らししながら人生の最期も意識していろいろ考えたであろう。そこから生まれたもの読みたい
●読了感想
最後3つのSTORYが印象的。八ヶ岳南麓で、前期高齢→後期高齢→死に至る流れで、先輩たちが選んだ道が語られている。上野さんは運がいい、きっと八ヶ岳南麓で最期を迎えられることだろう
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 友人とはありがたいもので、いったん信頼関係ができるとそのまた友人を紹介してくれる
- (コロナにより)、機会がなくなってみれば、ひとに会いたいとも思わず、美食したい気持ちも起きず、賑わいの巷に行きたいとも感じなかった。本と音楽があればそれでじゅうぶん
- 山梨県北杜市の標語は、「水と緑と太陽のまち」……全部タダのものばかりだ。ほかに自慢するものはないのか、と突っ込みたくなる
- 1冊1冊の書物は、わたしをそれぞれ別の世界へ連れて行ってくれるドラえもんの「どこでもドア」のようなもの
- 「八ヶ岳、離婚」というジンクスを聞いた。(中略)、密着する時間が長いと、相手の見すごせない癖や、許せないふるまいも増えるのだろうか。(中略)、カップルは適度な距離があるほうがよさそうだ
- (八ヶ岳南麓において)、おもしろいのは、男がおひとりさまになると都会の子どもたちに引き取られる傾向があるのに対し、女がおひとりさまになるとそのままこの地に居着くことだ
- シニア割引がある。口の悪い友人などは、はよ「死にや」割引だと言う
- 高齢者の孤立度を測る指標に「正月三が日、誰とも口をききませんでしたか?」という問いがあって、どきりとした
- オンラインミーティングの終わりに、今度は実際にお会いしたいですね、といちおう社交辞令で口にはするが、ホンネはそんなこと、どちらでもよい
- 周囲を観察していると、免許証返上に踏み切るのは、たいがいとりかえしのつかない事故を起こしてからが多い。それほど車を手放す決心はつきにくいようだ
- 60代で移住してくるひとたちは、元気で若い。八ヶ岳南麓を愛して、ここを「終の住処」と思って移住してくるが、本気で自分がヨタヘロ期になったときのことなど考えていない
●目次
- STORIES
- ①コロナ疎開の山暮らしで
- ②いつのまにか山梨愛に……冬の明るさを求めて
- ③花の季節
- ④ガーデニング派と家庭菜園派
- ⑤蛍狩り
- ⑥冷房と暖房
- ⑦上水と下水
- ⑧虫との闘い
- ⑨八ヶ岳鹿事情
- ⑩夏の超簡単クッキング
- ⑪ゴミをどうするか?それが問題だ
- ⑫本に囲まれて……
- ⑬移住者のコミュニティ
- ⑭猫の手クラブの人々
- ⑮銀髪のスキー仲間
- ⑯大晦日家族
- ⑰オンライン階級
- ⑱多拠点居住
- ⑲免許証返上はいつ?
- ⑳クルマ道楽
- ㉑中古別荘市場
- ㉒おふたりさまからおひとりさまへ
- ㉓大好きな北杜で最期まで
- ㉔おひとりさまの最期
- あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。