読了

モフモフはなぜ可愛いのか/小林朋道

本かつお
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●なぜ気になったか

タイトルに「確かに可愛いと感じてしまう。それはなぜなんだ?」と無性にその理由が知りたくなった。タイトル含め気になる「なぜ」が13個、解明するために読みたい

●読了感想

質問項目への著者の仮説解答の半分以上に納得でき楽しめた。ヘビやゴキブリを見た瞬間に身体が反応すること、アスリートがゾーンに入る的なことへの長年の疑問が解決した気持ちになれた

アマゾンレビュー

●心に響いたフレーズ

  • 最近のSNSなどで起こっているやりとりを見ていて、次のようなことをよく思う。なぜ、一方的な視点だけから決めつけた発言をするのだろうか
  • 扁桃体には「ヘビニューロン」と呼ばれる、ヘビの様々な姿に対応して、〝ヘビ〟を検出する神経配線系が存在し、この活動によって、われわれが「ヘビ」を意識する前に、脳や筋肉系を警戒状態にするのである。それがドキッ!を感じさせるのだ
  • 子どもの頃、「感情の興奮がそのまま拡大し、泣いたり、怒ったり、喜んだりするという行動が現れやすい」というのは、(中略)、目立つ行動によって、周囲の個体に助けてもらえる状況を作っておくことが(子どもにとって)有利だから
  • 「血のつながり」と「自爆テロ」とは深くつながっている。両者をつなぐのは、利己的遺伝子説と呼ばれる仮説
  • 自分が命の危険に関わるような場面に遭遇したときは、脳は大量のエネルギーを消費して活動し、詳細な情報処理を行うことを明らかにしている。おそらく、外界の事物事象の変化がスローモーションのように感じるような体験が起こっているのではないかと推察される
  • 「常識は疑ってかかれ」という言葉がわざわざ警句として発せられることは、そもそもヒトの脳が、省エネの「思い込み」を行いやすい傾向を有していることを示唆している
  • (マスコミは)ヒトが不安やショックを感じるようなニュースを選択して流してくる。 それを受け止める脳は、社会では、そういったことが頻繁に起こっているのだ、と解釈してしまう。社会の状況をそのように感じてしまう
  • 自分を守る力が弱い赤ん坊は、危険な夜は、一層、誰かに寄り添っていてもらう必要がある。(黄昏時に)赤ん坊の脳は不安感を引き起こし、時には、不安が強くなりすぎて、泣く、のである
  • 頻度や激しさに差はあるが、ヒトでも、ヒト以外の動物でも、いじめは起きるだろう。なぜなら、ヒトも大腸菌も含めて、生物体はみんな、自分の遺伝子を増やそうとする個体が存在するから
  • 「いじめ」行為があったとき、傍観者が少ないクラス(つまり、他の生徒たちの多くが止めに入るクラス)と、傍患者が多いクラスの2種類にはっきり分かれている。当然、前者のクラスでは、いじめの問題は起きておらず、後者のクラスでは問題化していた
  • 高い声というのは、攻撃性を伝える低い声の反対の特性を備えた声なのだ。だから、親しい人や赤ん坊に声をかけるときは、なおさら、その特性を強調して、高い声になるのだ

●目次

  • はじめに
    • 本を書くための新しいアイデア
    • 「情報」は二種類に分けられる
    • 「地球温暖化懐疑論」はほぼ壊滅したが……
       
  • 1 親しい友人と会った時、とび跳ねたりするのはなぜか?
    • 「うれしい」がはっきりわかる動作
    • フリーライダーを見抜く特性
    • 脳がプログラムされている
  • 2 ヒトはなぜ「怖いもの」を見たがるのか?
    • 生存のための有益な情報
    • 安全を確保しながら……
    • 「スリル」と「快」
    • 〝幽霊〟の怖さ
  • 3 子どもがやる「地団駄を踏む」動作は本能か?
    • 威嚇的な意図行動
    • ヘビニューロン
  • 4 「血のつながり」の正体とは?そして「自爆テロ」との関連は?
    • コロナウイルスの場合
    • 行動や心理を決めるのも遺伝子
    • ヒトという乗り物
    • 同じ遺伝子を持っている可能性
    • 特攻隊のケース、イスラム教のケース
    • 感情はしっかり味わうべし
  • 5 「思い込み」はなぜ起こるのか?
    • 「省エネ思考」という特性
    • 脳が消費するエネルギー
    • 振り込め詐欺
    • 「自分はどうなのだ」
    • ファクトフルネス
  • 6 ヒトは現在も進化しているのか?
    • 退化は進化
    • 分解酵素の進化
    • エイズに感染しない人々
    • 「良い悪い」とは無関係
  • 7 寄生虫はどのようにして人間を操るか。そして遺伝子とは?
    • カマキリを操るハリガネムシ
    • 人間を操るメジナ虫
    • ギョウチュウの場合
    • ミトコンドリアの正体
    • 遺伝子が行動・感情・思考を決める
    • 遺伝子が生き残るためには
    • 遺伝子も寄生虫のようなものである
    • 鉄分を過剰に吸収させる遺伝子
  • 8 ヒトにとって「音楽」とは何なのか?
    • ダンバー数
    • リズムとエンドルフィン
    • 行為の美
    • 動物にとっての音楽
    • 外界についての様々な情報
  • 9 赤ん坊の黄昏泣きはなぜ起きるのか?
    • サルの群れについていくと……
    • 暗くなり始めたころに
  • 10 他人の口調やしぐさがうつってしまうのはなぜか?
    • ミラーニューロン
    • 相手の気持ちを考えること
    • 無意識に真似をする
    • 転位行動とは
    • 「擬人化」の大きなメリット
    • 動物は人の心をわかりたいか?
    • なぜ神や仏を信仰するのか
  • 11 なぜヒトは「いじめ」を行うのか?それをなくす方法は?
    • ヒトと動物のいじめの違い
    • いじめの実態を把握する必要
    • 学校や職場でのいじめ
    • 心理を利用してのいじめ
    • いじめを抑制する「理性思考」
    • 「傍観者」と「臨界質量」
  • 12 モフモフはなぜ可愛いのか?
    • 「保護してあげたい」という感情
    • 「ふくよかさ」「丸っぽい」
  • 13 赤ん坊に声をかけるとき声が高くなるのはなぜか?
    • アカジカの「鳴き合い」
    • 親愛的メッセージを伝えるには
       
  • おわりに

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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