2024.07.01 2024.11.03 読了 トランプ人気の深層/池上彰、他 本かつお 記事内に商品プロモーションを含みます ●なぜ気になったか 前回トランプが大統領になった時、まさかの事態に本当に本当に驚いた。今回は、まぁ、そうなるわなと驚きはない。ただ、なぜ人気があるのかちょっと謎なので知りたい ●読了感想 そっか、だからトランプに人気があるんだ、と理解できた。自分がアメリカ人だとしたら、社会の中でどの位置に存在しているか次第でトランプを支持するかもしれない。日本人としては、トランプになったときの不安がさらに強まった アマゾンレビュー ●心に響いたフレーズ トランプをキリスト教でも敬虔なクリスチャンである福音派が支持しています。(中略)、人工妊娠中絶を禁止するとか、LGBTQ+に冷淡であるとか、こういうことが福音派に支持されている理由です。民主党だと同性婚を認めるべきだとか、人工妊娠中絶の自由を認めるべきだというので、福音派は支持できません (トランプをキリスト教でも敬虔なクリスチャンである福音派が支持しているが)、 トランプは熱心なクリスチャンだとは思えません。あくまで選挙で勝つために、そうしているのです 福音派以外の人たちでトランプを応援している人たちは、(中略)、ラストベルトと言われている自動車産業や鉄鋼産業がすっかり寂れてしまっている地域の人たち トランプは酷すぎると思ったアメリカの人々が(2020年の大統領選では)バイデンに投票したのです。彼らはバイデンを支持していたわけではないですが、トランプが酷すぎるから大統領に再選させないためにバイデンに入れたのです (トランプはテレビ討論会で)、口汚い発言で、共和党の政治エリートたちを次々と罵倒していきます。これが、いままで政治に興味がなかった人たちの関心を呼び、「こいつは面白い」「こいつを共和党の大統領候補にすればいいんじゃないか」と支持が広がったのです アメリカの分断はトランプが登場する前から進んでいました。分断が進んでいたのを、より極端にしたのがトランプなのです トランプは大統領の時代からNATO脱退を言っています。もしアメリカがNATOを脱退すれば、NATOがロシアに対抗できる力はないでしょう。(中略)、トランプにとって、ヨーロッパが全部ロシアになっても、「知ったこっちゃない」ということです アメリカにとって、ウクライナを利用してロシアを弱体化させることがこの戦争の目的です。ところが長期化するにつれて、逆に生産力の差が出てきて、アメリカの方が弾切れに陥っています。ですから、アメリカはその当初目的も達成できません。したがって、この戦争は遅かれ早かれ、ウクライナが劣勢な状況で手打ちするしかないというのが構図です トランプの関心は雇用です。(中略)、トランプの目指すものは、額に汗して働く人がお金を得られるアメリカです。だから、プラットフォームを作ってサブスクで金を儲けるとか。あるいは株を右から左に動かして金を儲けるとか、トランプはそういうのが嫌いなのです 安倍元総理は、2018年のシンガポール合意で北方領土の条件を4島から2島に下げました。それから韓国の尹政権に対して竹島を要求しなくなりました。(日本は負け組ですから)、これは正しいのです。弱くなったら下がらないといけません イスラムには人口減少を引き起こさない理由が大きく2つあります。ひとつは共同体が子どもたちを育て、核家族化しないことです。だから、手が空いた親戚の人が、自分の子どもを育ててくれるのです。(中略)、もうひとつは、イスラム教の戒律で人工中絶が禁止されていることです カリフォルニア州のサービス業の10%を超える人が非合法移民です。ファストチェーンの店員や清掃の人たちなどです。しかし、彼らがいないと、賃金を安く抑えられず、インフレになってしまいます (アリゾナ州とかテキサス州の人々は、移民が犯罪をするのではないかと不安に思っているが)、実際は、非合法移民の方が、圧倒的に犯罪率が低いのです。3ヶ月かけて命からがら逃げてきたのに、わざわざ犯罪をして強制退去させられるようなことはしません トランプは何を言い出すかわからないという予測不能性を、自分の強みにしています ●目次 はじめに 第一章 トランプ人気と「もしトラ」 池上 章氏(フリージャーチリスト)インタビュー もしトランプが大統領に復活したら、アメリカは大混乱、世界も大混乱に トランプを支持する福音派とは….. 2016年、ラストベルトの人たちの心をつかんだトランプ トランプに再選させたくなくてバイデンに入れたアメリカ人 共和党を乗っ取ったトランプ 大挙して共和党の党員になった高卒の白人たち トランプの下品さに嫌気がさした穏健な共和党員 グローバル化によって拡大したアメリカの格差 ディープステートをなくすため5万人の役人をクビにするトランプ 5万人のクビで大混乱になるアメリカ アメリカの中間層はどこへ行ったのか Z世代の投票行動が新しい大統領を決める!? イスラエルと全面戦争はしたくないイラン ヒズボラを潰したいイスラエル 個人的利害のために戦争を継続したいネタニヤフ? ネタニヤフが嫌いだが、親イスラエルのトランプ ヨーロッパ全体がロシアに取られても構わないトランプ 第二章 トランプで世界はどう変わるのか 佐藤優氏(作家)インタビュー トランプで群雄割拠になる世界戦略的転換を図った日本外交で乗り切れるか!? アメリカに、ウクライナに勝たせる気はもともとない トランプはハマス掃討には全力を挙げて支援する イスラエルの目標に西側の仲介は関係ない ハマスの論理はユダヤ人の殲滅 「パレスチナ人とユダヤ人の戦い」ではない 脅威は「意思✕能力」と捉えるトランプ 日本のチョイスは日朝の国交正常化 日朝間には細いパイプしかない トランプの目的はアメリカ人の雇用を増やすこと トランプ版聖書はアメリカを建国の理念に戻すことを意味する ニクソンも避けた宗教的対立を争点にしようとするトランプ陣営 お粗末な日本のメディアと基本は外さない日本の外交 日本の主権が高まった日米同盟 撤退戦をしていたトランプ、拡張戦をしているバイデン 岸田政権の外交は90点以上。中国とも戦略的互恵関係 価値観外交から勢力均衡外交への転換を示唆した秋葉論文 負け組だからこそ、日本は東南アジアとの関係をより強化していく トランプで日米同盟は実質的に変質するだろうが具体的には未定 トランプで世界は群雄割拠に。日本は個別利益を上手に得るべき 中国をあまり過大評価しない方がいい。それよりもイスラム トランプは長老派、神に選ばれた人と思っている 基軸通貨がアメリカドルから変わるとき、世界は大混乱になる 第三章 トランプで一層深まるアメリカの分断 前嶋和弘氏(上智大学総合グローバル学部教授)インタビュー トランプでもバイデンでも分断は続く! 人口動態が変わらない限り、アメリカは変わらない アメリカの分断の起源は公民権運動 分断化が大統領選の勝利の方程式 福音派と小さな政府、そして怒れる白人が共和党の支持層 多様化と所得再分配を求める層が民主党の支持層 人口動態が変われば、アメリカは変わる 移民が増え過ぎて、キャパオーバーになりつつあるアメリカの都市 移民で国力をのばしてきたアメリカ 移民問題、人工妊娠中絶が大統領選の争点 文化戦争が、いまの分断の根本にある いまのアメリカは内戦前夜か?合理的判断ではわからない感情的分極化 メディアも文化戦争に引っ張られた 第四章 共和党内の反トランプ派 中林美恵子氏(早稲田大学教授)インタビュー アメリカの制度疲労を突破する力をトランプに求めているのかもしれない 民主党の一本化がバイデンの支持率アップよんだ アメリカは移民の国、いま中東の人が増えている 共和党は2016年、2020年ほどまとまっていない 共和党の良心として、トランプが本質的に嫌い ニッキー・ヘイリーを応援した人は大統領選を棄権する? トランプの細部に宿っている悪魔を感じている 何も決まらないアメリカがまだ続くのか? フィリバスター(議事進行妨害)で1週間の演説さえ可能 ワシントンからへドロをかき出してほしいと思っている有権者もいる 真っ二つに分かれる二人の女性の意見 トランプだからできる、あのパフォーマンス トランプの支持層をより詳しく観測していく必要がある 拙速なアフガニスタン撤退で支持率が下がったバイデン 民主主義より強いリーダーを求めるトランプ トランプが大統領になったら、日本は対症療法的に対応するしかない アメリカ経済も良くなるとは思えない トランプもバイデンも戦争はしたくない 第五章 トランプとネオコン 高畑昭男氏(外交ジャーナリスト)インタビュー ネオコンと親和性が高いバイデン ディープステートと批判するトランプ ネオコンという言葉は侮蔑的な意味を持ちます ネオコンに近いバイデン政権のブリンケン国務長官 2014年のマイダン革命に関与したヌーランド氏 中東問題専門家のマクガークもネオコンか? 「力による平和」を主張しアメリカ例外主義の思想に近いネオコン 思想的に親和性があるが、軍事が嫌いなバイデン 軍事嫌いなゆえに失敗したアフガン撤退とウクライナ戦争 軍人からも嫌われているバイデン シンクタンクJINSAにいる元軍人のネオコンたち 孤立主義のトランプ、力を持たないウィルソン主義のバイデン ウクライナ戦争をネオコンが起こしたというのは陰謀論者の買いかぶり トランプ政権の時に起こったアメリカの中東政策の転換 今回も大統領選を左右する力はネオコンにはない アメリカの外交・安全保障分野では根を張っているネオコン ネオコンのスタートはアービング・クリストル 日本はうまくネオコンと協調して政策を進めていくべき 第六章 トランプはなぜ嫌われるのか デーブ・スペクター氏(テレビプロデューサー)インタビュー トランプが大統領になったら、アメリカ国民は本当に恥ずかしいです アメリカ大統領の予備選はカスみたいなやつも出ます トランプというモンスターをつくったのはメディア トランプは見世物的に視聴率をとっているだけ バイデンのネックは国境問題 今の移民はアメリカに馴染もうとしていない トランプの表現は中学生レベル 昔の共和党は保守だったがクレイジーじゃなかった バイデンに投票する人はバイデン支持というより反トランプ 民主党の政治利用に見えてしまうトランプ裁判 悪い点には日をつぶるトランプ支持の原理主義のクリスチャン 名前だけの共和党員が多くなった共和党 民主党もリベラルが行きすぎている 日本は君主制だから安定している 民主主義のアメリカで、最も恥ずかしい議会襲撃をしたトランプ トランプ人気の深層/池上彰、他 created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場 Yahooショッピング #評価3#池上彰 プロフィール 本かつおXFacebookInstagramLINEContact「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。