本かつお
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●なぜ気になったか
僕の学校時代は1970年代、現代では許されない理不尽なことや変な校則があったが、嫌いまでではなかった。「学校は地獄、学校嫌いの大人と子どもへのエッセイ」、いったいどんなひどいことが書いてあるのか覗いてみたい
●読了感想
書かれているような考えを持った人がよくぞ先生を続けられているもんだ、とまずは思った。非常勤だから可能なのではあろう。『がっこうはじごく』と思いながらも居続けるのは、哲学するのに最高の場だからなのかな、とも思った
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 一見無礼な人間のほうがすんなりひとの懐に入っていけたりするのだからどうしようもない。というかずるい
- (高校の頃、同じクラスだった伊東くん)は、クラスメイトに対して「池ちゃん、おはよー」「吉田、バイバイー」と、ちょっとした挨拶でも必ず相手の名前を呼んでいた
- (学校の先生として)、非常勤には気楽だなぁ、そしてとても寂しいな
- 「先生の顔を見るとなんだか安心して一日がんばろうって思います」というコメントを生徒からもらったことがある。(中略)、ものすごくうれしかった。「がんばろうって思います」より、「なんだか安心して」と言う言葉がとくに
- 授業をしていると、たいていクラスにひとり、とても熱心に聞いてくれるている顔がある。(中略)、決まったひとりではなく、なぜか毎度違う顔。(中略)、だれと目が合うかわからない。そのことが、毎度何より楽しみ
- (単位をボロボロ落とした)、哲学科での大学生活は、(中略)、どちらかというと「哲学すること」よりも「哲学する周りのひとたち」の面白さに魅了された五年間だった
- 「このひとってどうせこうなんだろう」という自分の固定観念は、実はほんの些細なおしゃべりひとつで案外ころっと変わったりする
- (雑談ができる機会には)、もっと自分から話せばよかったな、とやっぱり思う。(中略)、くだらない雑談を重ねた先に、ふとあのひとにこの話、聞いてもらおうかな、という瞬間がやってくるかもしれないから
- がんばることができるひとを「これからもがんばれ」と鼓舞することは、決して粗末なことではない
- (卒業する生徒たちに)、あなたの強みはなんですか。あなたの個性は、独自性は。(中略)、と社会はにじり寄る。社会は勝手だ。社会は、君たちが思うよりもずっとずっと厳しい
- 学校が嫌いな人間が、教員として学校にいる。そういう人間がひとりくらい、ここにいたっていいじゃないか。(中略)、むしろそれこそがわたしのできることだと思って、ここにいる
●目次
- あなたの話
- とびきりのくだらなさで
- 名前がある
- よそ者のまま
- いま、ここにひらかれている
- 安心できてつまらない
- がっこうはじごく
- 一瞬間のアジール
- ふたりの幽霊
- たったひとりに
- 問い直す
- 先生じゃない
- ばらばらな声
- 雑談と同僚性
- 止まり木から
- 学校という引力
- 先生なのに、口が悪い
- だれとしてそこにいるのか
- とりどりのコートと赤い耳
- 春の匂いがわからない
- あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。