本かつお
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●なぜ気になったか
僕のマリさんの作品は波長が合う感じですごく好き。一方、食にこだわりや思い入れがないので、食に関する読み物はまったく好きではない。本作は好きと好きでないものの組み合わせ。はたしてどちらが勝るのかに内容以上に興味がわく
●読了感想
大好きな僕のマリさんだけど、僕が楽しめない食に関する作品で不安だったがすごくすごく楽しめた。「風邪を引いても食欲はある」「燃費が悪い身体」など、僕と同じ特質をマリさんが持っていることが書かれていて、さらに好きになった
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 生来の頑固さが、(中略)、人を傷つけたはずが、自分も傷ついた。そういうことが人生で何度もあった
- 早く自立したい、大人になりたいという気持ちとは裏腹に、 (母親から)出された食事に文句をつけることは甘えている証拠だった
- こんな夜中に(ラーメンを)食べたらさらに身体に悪そうだな…とうっすら思うが、この時間というものがさらなる旨味の成分となっている
- いい文章が書けたら、身体が発光してるような気がした
- 犬という生き物は愛を食って生きているような風情がある
- 犬に囲まれているわたしの写真を見たら、笑顔を超えた、うれしすぎておかしくなっている顔だった。物心ついてからずっと、犬が好きなままなのだ
- ひとつ思い出すと、そこから枝葉が分かれるようにいろんな記憶が蘇る
- (屋台の焼きそばは)、自分で作ったほうが美味しくできるはずだけれど、でもそれとは違うベクトルで美味しいと感じる
- 適当なご飯にも豊かさはあるはずだ。 (中略)、卵かけご飯が妙に美味しかったりすることもある。忙しい日々の合間に心をほぐしてくれるのは、案外気取らない食べ物なのかもしれない
- (冬なのに)、最高気温が二十二度くらいの陽気で、春のプレリリースのような日だった
- 昨日と同じ穏やかな一日が、ただ続いていくということも、幸せだなと思う
- 記憶とは不思議なもので、思い出すたびに少しずつ美しくなるものもあれば、悲しい思い出が醸成し呪物のようにどす黒くなるものもあり、その人の心の状態によって変化することがある
- 妄想には正解も正義もなくて、それが良い
- ちまちまと生活を積み上げていくことが、なぜだが心地良い。(日常のルーティン)をしていてもまったく飽きず、幸せを触って確かめるように未来のことばかりを考える
- 自分でこつこつと積み上げてきたこの暮らしが壊れることが前よりもずっと怖くて仕方ない。毎日は笑って過ごしていながらも、どこか静かに覚悟しているような心持ちで生きている
- 生きていれば大変なことは山ほどあるけれど、生きてさえいれば、小さな石も大きな山も乗り越えていける
●目次
- ⅰ
- チーズケーキの端っこ
- 朝食のピザトースト
- 真夜中の炭水化物
- りんごを剥いたら
- 直構の焼きうどん
- いつかマックで
- 退屈とコーラ
- 自炊ときどき外食日記 1
- ⅱ
- 祖母と梅、メロンに焼肉、初夏の風
- 苺の効力
- 幻とコンソメスープ
- 先生となんこつ
- 社食の日替わり
- キッチンで缶ビール
- 炙ったホタルイカ
- 自炊ときどき外食日記 2
- ⅲ
- サンタの砂糖菓子
- 考えるチョコチップクッキー
- 穏やかなフルーツサンド
- 不安と釜玉
- 酢シャンプーの女
- 食わず嫌い
- 明日のパン
- あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。