本かつお
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●なぜ気になったか
『これが生活なのかしらん』で個性的な表現と世界観を楽しめたので、次作を待ち望んでいた作家さん。完全な新作ではないけれど、1万部も売れた自費出版エッセイ集に17篇加えられた作品。読むのが楽しみ
●読了感想
自費出版の過去作と追加の新作が半々程度であったが、旧新関係なくおもしろかった。独特の考えと表現に感性をくすぐられ、あっという間に読み切ってしまった後は心地よいロス状態。次の新作が待ち遠しい
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 給料日までかなりあるのに、私の財布の中には百円玉が一枚と、十円玉や五円玉、一円玉がちゃらちゃら鳴るだけ。それでも特に気にしなかった、気にしたってお金は手に入らないのだから
- 嫌々でも繰り返しやっていると、脳は麻痺し、心は鈍り、身体には行為だけが染み込んでいく
- 私たち(家族)は、ほころぶように笑いあった。思い出話なんかしなかった。あれ、なんにも変わっていない。家族とは、こんなにもすぐ取り戻せるものだった
- 甘いものを食べた後に飲むブラックコーヒーよ。あっぱれ!
- 孤独はおもしろい。なにを見て、なにを感じても、だれにも責められない。それがとてもおもしろい
- いつだって自由は危険の上で成り立っている
- こころがほどけた
- 一対一、多くとも三人くらいでコソコソ話すのが好きな私
- 気持ち悪くなるほど酒を飲んだところで胸の奥では人見知りをしたままだった
- 心を痛めるのには小さすぎる変化を、どうってことないと、どうして私は見逃せないのだろう
- 別れとは門出である。出発である。そう言い聞かせるしかなくなってしまって、、私は、これ以上、こんにちはと言えないひとを増やしたくない
- だれかのしあわせをねがうとき、私はしあわせなのだとおもう
- (私が生まれ育った町は)、田舎と都会が混ざり合わずにもたれあうあやふやな町。(中略)、(地元の)橋から見る夕日は好きでした
●目次
- 東京生活
- ここで唐揚げ弁当を食べないでください
- 渋谷寮の初夏
- 仮眠と青山
- 赤坂と神様
- 若者
- 銀座、ふたりきり
- 大人になって
- 夏の記憶に三人で居る
- 春一番
- 回転寿司と四人家族
- 急につめたくなるもの
- 兄はガ二股
- 眠らない夜のきらめき
- 下北沢トロワ・シャンブル
- 黄昏時の松屋
- パンとか焼いて生きていきたい
- 旨いコーヒーとたまごとソーセージのトースト
- ストレス解消法は、あります
- 銭湯、限りなく、生
- 下北沢の北京料理屋にて
- 羽根木公園の春昼と短夜
- 代々木公園と元気を出して
- 迷い込む茶亭 羽當
- 毛皮と行列
- 始発で海へ
- タコとうんめい
- 幡ヶ谷の三人暮らし
- 最後の夜と救急車
- それから
- 京都へゴー
- 星飛ぶ
- ジャングルジムの頂で待つ
- 尻と少年
- あたらしい東京生活
- あたらしい街には
- しっぽだったらよかったな
- 私の動物
- ハローグッバイ
- 先輩
- 日高屋ふらふら
- スーパー銭湯は天国じみて
- はるなつあきふゆ
- 私家版あとがき
- 単行本あとがき
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。