読了

仕事と生活についての雑記/楠木建

本かつお
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●なぜ気になったか

たまに気になるタイトルを出版されていた楠木さんだが、初めて読んだのは『絶対悲観主義』。その考え方は賛同できる点も多く、著作をもっと読んでみたくなった。過去作も含まれたエッセイの集大成なので最適な一冊

●読了感想

340ページと分厚く、いろいろな項目に対し、いろいろと考察された、てんこ盛りな内容。「そうそう、まさに!」「まぁ、どうでもいいかな」「うーん、そうかなぁ」などいろいろ考えを巡らせることができ楽しめた

アマゾンレビュー

●心に響いたフレーズ

  • (足るを知るおすすめの方法は)、他人を見ていて、「いいなぁ…」とか「羨ましいなぁ…」と思ったときは、すかさず脳内で「そんなにイイか?」と自問する(こと)
  • 人間は死を意識したときに、はじめて人生で本当に大切なものに気づかされる
  • 人間にとって最大にして最高の資産は記憶。(中略)、自分のスキなことや自分にとって大切な人々とのつながりのためにお金を使い、記憶資産を豊かにするに若くはなし
  • 日本人の多くは死ぬときにいちばん多くのお金を持っています。あまりにもったいない
  • 何かにつけて威張り散らす人がいます。僕は決してキライではありません。なぜならば、傍から見ていて面白いからです。面と向かって威張られるのもどちらかというとスキ
  • (海外から来た)学生が日本の良さとしてあげるのが「四季があること」。実際に日本に来て日本人と接し、日本の豊かな四季を肌身に感じると、ますます日本が好きになると言います。
  • 情報収集も時と場合によっては必要ですが、僕の仕事にとって何よりも大切なのは、自分の頭だけで考えるということ。孤独こそが思考の友
  • なんでもいいから興味を持って見てごらん。なぜだろう? どうしてだろう? って…。そうすると世の中そんなにつまんなくもないよ
  • (成金の人々の消費は)、「見せびらかし消費」。人からすごいと思われることが彼らにとって無常の喜びですから、人に見てもらわないと始まりません
  • 平等に与えられた24時間を何に消費するか。これによってひとりひとりに大きな差がついてきます。(中略)、成熟した社会の基準は時間の消費の質にあります
  • コンテンツ視聴の目的が単に「知りたい」だけであれば、倍速再生は合理的です。(中略)、「味わいたい」のであれば、倍速再生に意味はありません
  • 人を使うということがどうにも下手。コミュニケーションが面倒。全部自分でやったほうがむしろラクです。一切のコミュニケーションが脳内で完結。これがワンオペのイイところ
  • コントロールできないものをコントロールしようとする。ここに不幸の始まりがある
  • 人はそれぞれ自分の価値基準で生きている。人は人、自分は自分。ほとんどの場合、比較には意味がない。自分と反対の考えの人がいてもイラッとせず、「そういう人もいるのか。世の中は面白いねぇ…」と受け止めたい
  • 実績こそが信用を生みます。仕事の最大の報酬はお金ではありません。仕事そのものです。(中略)、日々の仕事の実績を一つ一つ重ねて初めて重要な仕事が回ってくるようになります
  • 初めから「うまくいかない」と思っていれば苦になりません
  • いつの時代も上品な人(自分を知る人)と下品な人(自分を見失う人)がいるだけのこと。これ(だけ)が人間の別れ目であります。ここ(だけ)を見ていればまず間違いございません
  • (学校卒業し仕事を始める娘への3つのアドバイス)、1つめは「常に機嫌よくして、挨拶を欠かさない」。2つめが「視る」。仕事ができる人を決めて、ずっと「視る」。3つめが、「顧客の視点で考える」
  • 何事においてもはHOW(どのように対処するか)よりもWHAT(それが要するに何なのか)を先にはっきりさせておく。(中略)、WHATを確定しなければ、HOWを議論しても意味がないから
  • (コロナ禍では)、リスクが課題に受け止められ、人間の側で過剰反応が起きた。(中略)、「コロナ危機」というよりも、人間社会が増幅させた「コロナ騒動」
  • (国防は国に、火事になったら消防、泥棒に入られたら警察)、こうした国の基礎的公共サービス以外についてはできるだけ国や政治に依存しないで生きていくのが精神的にずっと健康
  • 安価な外国人労働力の安易な受け入れが、現下の「人手不足」という日本にとっての大チャンスをぶち壊しにするリスクを抱えている

●目次

  • はじめに
     
  • 第1部 生活編
    • そんなにイイか?
    • イワイワ団
    • 還暦フェスティバル
    • 記憶に残る人
    • 独りご飯(外食編)
    • 独りご飯(自宅編)
    • 一寸先は闇
    • 永楽館歌舞伎と豊岡カバン
    • アイス時代
    • 見くびられるのがうまい人
    • ジャズベ/プレベ分類
    • 禍福は糾える縄の如し
    • 気づくのが遅かった!
    • 能動的休憩
    • チューンナップ
    • 脱アップル記
    • 葉書最強説
    • 逆ツーブロック
    • 新・家の履歴書
    • 同級生交歓
    • 代表的日本人の言葉!「だまって俺について来い!」(植木等)
    • 不自由の恩恵
    • 四季の変化を知る歳を知る
    • 音楽趣味の垂直統合
    • 再生系
    • 高峰秀子の教え
    • 消費に見る成熟
    • そんなにイルか?
    • 嗜好保守主義
    • 初老初心者
    • 驚くほど変わらない
    • 不運の積み立て
    • 最長不倒記録
    • 結婚式
    • 「内開き」の家庭
    • 中将の顔
    • 深いまなざし
    • タイパ
    • 気前の良さ
    • 領収書とツェッペリン
    • キャメロングッときた
    • THE
    • 緑と縁
    • 出前の記憶
    • 無気力体験
    • 世界の中心で自分が叫ぶ
    • 小諸への旅
       
  • 第2部 仕事編
    • 受注仕事
    • よこはま・たそがれ
    • 性能は客が決める
    • 入学試験
    • 人気と信用
    • AIとは勝負にならない
    • 現金書留
    • 学恩
    • コロナ時代の仕事論
    • 思考訓練が経営力磨く
    • 経営学は科学と実学を両立できるのか(琴坂将広氏との対談)
    • 個の時代のキャリア論
    • 考える力
    • リスキリングの先にあるもの
    • 大学での知的トレーニング
    • ゆっくりと
    • 退職金
    • すこし愛して、ながく愛して
    • スパイ感覚
    • アナログの優位はスピードにあり
    • 仕事を追う
    • 対面批判
    • 全能感
    • ゲラ天
    • 仕事1年目のアドバイス
       
  • 第3部 社会編
    • 「無料」についての断章
    • 本性への回帰
    • 小さな痛みの心地よさ
    • 正論を声高に言う人
    • 国家権力
    • 無関心者の意見
    • カルロ
    • 松本問題
    • 経歴詐称
    • 美しい負け方とは
    • 柔軟、されど哲学なし
    • 局所的凶行
    • 国葬
    • 文脈依存性
    • 稀少性
    • メタバースとNET
    • プロパンDX
    • 「またジジイか」
    • 「透明性」の不透明
    • ビットコイン
    • 検察刷新会議への提案
    • コロナ雑感
    • ゴーン事件に思う
    • ショパン・コンペティションの無競争
    • 石がなくなったから石器時代が終わったのではない

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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