読了

世界99/村田沙耶香

本かつお
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●なぜ気になったか

主人公は「性格のない人間」とのことだが、いったいどんな人間なのだろう? そして、そんな人間が「性格」を使い分けてディストピアを生き残るという、読んでも楽しくなさそうな話が続きそうな上下合わせて864ページ。最後まで読みきれるのだろうか

●読了感想

こんなディストピア長編を最後まで読み切らされた筆力に感服。そして、僕が現代社会に感じている数多くのモヤモヤが取り上げられていて、ありえないと思いながらも、未来はこんな社会になるのかも、という妙な現実感も拭いきれなかった

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●心に響いたフレーズ

  • もっと賢く生きよう、と私は思った。楽に生きるには、勉強とは別の賢さが必要なんだ
  • ガイコクには「ウエガイコク」と「シタガイコク」があるらしい、と理解した。父や学校の友達は、「ウエガイコク」には強烈な憧れをみせるが、「シタガイコク」のことはこうして笑う
  • レナは自殺をしたのではなくて、心が殺されたので、身体をそれに合わせただけなのだ
  • 楽だよ、思考停止
  • 人間の体の中には、孤独が浮かんでいる。それはコントローラーに似ていて、それを掴むのに成功すると、目の前の人間をある程度操作できる
  • 馬鹿でいるのは楽ですから。誰もが、疲れていて、自分が綺麗でいられる言い訳さえあれば、いくらでも人に押し付けて楽に生きたいと思っていますから

●目次

  • 第一章
  • 第二章
  • 第三章
  • 第四章

プロフィール
本かつお
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。
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