本かつお
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●なぜ気になったか
2023年1月に読んだ『スタグフレーション』は、とても参考になりいろいろと考えさせられる内容で高評価だったことを記憶している。その加谷さんに「本気で考えよう! 」と投げかけられたら読まないわけにはいかない
●読了感想
前著が好評価だったのと、今回のタイトルで期待しすぎてしまい、ちょっと残念な読後感。日本でいま起きていることに意識を向け、考えるきっかけとはなるが、深く考えるには本書だけではもの足らずさらなる学びが必要
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 物価を意図的に上げることによって景気をよくするという(アベノミクスは)、経済理論としては正しかったものの、適用する状況を間違えたことから、日本ではうまく作用しなかったというのが正しい理解
- 年金が破綻することはありませんが、今後、年金をもらう人は減額を覚悟しておく必要がある
- (年金の)賦課方式における最大のデメリットは、人口構成に変化があった場合、年金の額が減る可能性があること。今の日本がまさにそう
- 公的年金制度は年間約54兆円を高齢者に年金として給付していますが、保険料として現役世代から徴収できているのは約40兆円だけですから、残りは税金など公費で負担
- (年金が)積立方式の場合、もらえる年金額が賦課方式に比べると大幅に減ってしまう
- 日本企業は時代の変化についていけず、依然として社内に多くの無駄を抱えたままであり、これが慢性的な低賃金の原因。(中略)、前者は企業戦略のミス、後者は組織運営のミス、結局のところすべては経営の問題
- ドイツは、日本に比べるとはるかに解雇規制が緩いとされていますが、労働者が不安に怯えているという状況ではありません。その理由は仮に解雇されたとしても、労働組合が別の企業への就職を斡旋したり、政府が手厚い再就職プログラムを提供してくれる(から)
- 日本の医療制度は、世界に自慢するものがほとんどなくなってしまった今の日本人にとって、唯一、胸を張れるものではないか
- 日本において入院患者数が多い理由は、(中略)、介護制度が貧弱であり、精神疾患への社会的ケアも十分ではなく、これらのシワ寄せがすべて医療にいく状況になっているため
- 今の日本人はあまりにも消費税にこだわりすぎており、発想の転換が必要。(中略)、何度も減税が行われてきた(中略)日本の法人税は諸外国から見てもかなり安い水準となっており、見直しの余地が残されています
- プロではない私たち一般人が投資するにあたっては、時間を味方につけることがもっとも重要
- お金に振り回されないための7つの法則。①他人が嫌がることはしない②友達は限定する③スケジュール調整の際には、まず自分の都合を言う④積極的に「ありがとう」と声をかける⑤基本的にどんぶり勘定⑥情報は出し惜しみ」しない⑦必要なモノにお金を出し、欲しいモノには出さない
- 戦術のミスはやり直すことで対処できますが、戦略のミスを戦術でカバーすることほぼ不可能
- 欲しいモノではなく、必要なモノにお金を投じる
- 経済的・社会的に成功できる人というのは、お金の使い方に対して明確なルールを持っています。(中略)、「将来、何らかの形で自分に返ってくるお金の使い方ができるか」
- 大規模のバブル経済とその崩壊、大震災の発生やデフレ不況、インフレと日銀による大量の国債購入という一連の流れは、戦前の日本とよく似ています。最終的には激しいインフレによって国民の預金をほとんど失った
●目次
- はじめに
- 生活に滲み出る貧しさの正体
- なぜ「手取りを増やす」議論に魅了されてしまうのか
- 繰り返される年金破綻論と現実との乖離
- 資産形成はいつ始めても遅くない
- 不安の時代を生き抜く術とは
- 第1章 多くの人が感じているイライラの正体
- ここ10年で進んだ貧困化が闇バイトを生み出した
- 生活を脅かされた消費者が「モンスター」に
- 今の資本主義はもはや限界?
- 日本が年々貧しくなっているという現実
- 東京23区のマンションはほぼ億ションという異常事態
- 第2章 物価が上がり続ける本当の理由
- 物価の優等生、卵高騰は一時的なパニックではない
- 「令和の米騒動」が長引く理由
- 値上げしないと賃上げができないジレンマ
- 財源なき減税論の危うさ
- 喫茶店の倒産急増。コーヒー豆はもはや高級品
- 第3章 円安は大規模緩和策の結果として発生している
- かつては1ドル=360円だった
- 大規模緩和策が円安の根本的な要因
- 大規模緩和策という麻薬から抜け出せないのは日本だけ
- 低金利時代の住宅ローンの落とし穴
- 金利が2%上がっただけで消費税は18%に
- インフレを放置することは大増税と同義
- 第4章 日本の公的年金はそれほど悪い制度ではない
- 公的年金が破綻する可能性はほぼゼロ
- 公的年金は払った保険料の2.5倍ももらえる
- 若い世代の年金はむしろ増える
- 40年前の若者も今とまったく同じ主張をしていた
- 積立方式にすれば完璧に公平だが、年金額は半額になる
- 第5章 賃金が上がらない理由はハッキリしている
- 賃上げなき経済再生はあり得ない
- 日本の企業経営の失敗は成功体験から来る傲慢さが招いた
- ガラパゴス化する日本の企業経営
- 日本のお家芸、サラリーマン社長の悲哀
- 政府は企業ではなく労働者を守るべき
- 古い商慣行が低賃金の温床になっている
- 第6章 手取りを増やす方法論
- まずは自分の納税額を確認することから
- 政府の予算で大胆にカットできる項目はない
- 地方の予算を削ると、生活に直結する
- 年金を削ることはかなり難しい
- 日本の医療制度は海外に誇れる
- 通常医療は削減の余地がある
- 第7章 消費税以外にも税収を増やす方法はある
- 企業負担を軽く、国民負担を重く、というのがこれまでの流れ
- 法人税を見直すべき理由
- 内部留保を吐き出させる最良の方法
- 富裕層課税の是非と現実
- 源泉徴収のせいで納税者意識が薄れている
- 第8章 筆者の資産形成の具体的方法を公開
- 「時間を味方に」が鉄則
- いつやるか?今でしょ!
- 株式市場は年間6%の値上がりで回っている事実
- 短期売買はやめた方がよい
- 投資は習い事と同じ
- お金よりも大切なこと
- 第9章 お金に振り回されない人生を送るために
- 成功する人には共通の行動パターンがある
- お金に関する偏差値が分かるたった3つの質問
- 友達と知り合いの違い
- 「ありがとう」が言える、お礼ができる
- 「漠然と正しい」ことが重要
- 情報はお金になる
- 欲しいモノではなく、必要なモノにお金を投じる
- おわりに
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。