本かつお
記事内に商品プロモーションを含みます
●なぜ気になったか
金原ひとみさん、高瀬隼子さん、現時点ではこのお二人が書かれたものは必ず読みたい。アンソロジーなので、苦手や知らない作家さんも含まれているが、もしかしたらそのような作家さんの作品でもおもしろいと思えるものがあるかもしれないので読んでみたい
●読了感想
金原さんは離婚したけどパートナーはいる、というテレビで得た情報に確信を持て、その状況への金原さんの反応を知れて楽しめた。高瀬さんの作品も、そこまで赤裸々に書くんだ!、という驚きを感じ楽しめた。でも私小説ってすべてが本当とは限らないんだろうな
アマゾンレビュー
●心に響いたフレーズ
- 同じ小説でも、いつ読むかによって全く違う星座を見出すことがあるのは、自分自身が、そして世界が変化し続けているから
- 小説があるから、私たちはすでに亡くなっている人々の生活や考えを最も近いところで体感することができる
- 一人心穏やかな時間を過ごせるの(中略)は、自分自身が変化し、許せないことだと気づけたから、許せないことを許さなくなったから、手に入った安泰なのだ
- カナダの医療は無料だ。(中略)、無料だからこそ驚くことが多々あった。(中略)、出産もたいてい日帰りか、翌日には帰される
- (マイナンバーカードの登録で)パスワードを書き留めるための紙を渡すって、まじでどうなってんだ区役所って、とあきれる
- 本人の変わらなさに対し、時代はたゆまず変わっていくものだから、本人が変わったように見えてくるという現象まで起こる
- 恋人にされたら誰でも傷つくであろうひどい態度を、どうして彼は言われないと気づけないのだろうと解せなかったけれど、言われたことには特に反論することなく受け入れる彼の柔軟さによって、私たちはそういう価値観の違いを乗り越えてきた
- 業界のハラスメント問題の話題が出たときのことが蘇る。女性がほとんどだったその集まりで、ほぼ皆が「自分も容認、あるいは適当に流したり無視をして助長していたかもしれない」と悔いていた
- 正しさは常に変化し、かつての正しさは今の間違い。今の正しさは未来の間違い
●目次
- 金原ひとみ「星座のごとく」
- 尾崎世界観「電気の川」
- 西加奈子「Crazy In Love」
- 高瀬隼子「卵」
- エリイ「神の足掻き」
- 島田雅彦「私小説、死小説」
- 町屋良平「私の推敲」
- しいきともみ「鉛筆」
- 金原ひとみ「ウィーウァームス」
- 千葉雅也「『私小説』論、あるいは、私の小説論」
- 水上文「言語の冒険へ――更新される『私小説』」
プロフィール
「観る読む歩く、釣る食べる、求められれば写真撮る」そんなマイペースな人生を淡々と・・・。